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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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富士山を眺めながら新雪を踏みしめる丹沢;塔ノ岳(今年58回目)

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                               <塔ノ岳山頂からの樹氷と富士山>

   富士山を眺めながら新雪を踏みしめる丹沢;塔ノ岳(今年58回目)
         2013年12月21日(土) 快晴

■月光煌々金星共演
 この頃,塔ノ岳に向かうときは,早朝4時10分に家を出ることが癖になっている.まだ,それほど寒くない時期には,いくら朝が早くても,“イヤだな”という気分にはならず,むしろ爽快であった.でも,12月も冬至の頃ともなると,さすがに早朝は寒くて辛い.昨日,予想外のみぞれが降ったこともあって,今朝は殊更に冷え込んでいる.
 玄関を出る.外が以外に明るい.
 西の空に,まん丸な月が煌々と輝いている.その脇に金星がキラキラと光っている.冴え渡っていて凄い光景である.私は玄関の門柱にバカカメラを当てて固定してから,月の写真を撮る.
 “これ,これ…この風景を絵にしてみたいな…”
と一瞬思うが,さて…?
 今日は土曜日.東海道本線下り初電は平日より乗客が3割方多いような気がする.
 小田原で小田急電車に乗り換えて,6時20分に渋沢駅に到着する.大倉行1番バスの時間にはまだ早すぎる時間だが,もう数名の登山客が乗車口で待っている.
 土曜日なので,臨時バスは出ないものの登山客はかなり多い.やがてご常連は,TGさん,TDさん,NMさん,YUさん,MTさん,IIさん,HDさん,STさん,TDさんなど何時もの土曜日メンバーが次々にバス停に到着する.
 ようやく夜が明けて,辺りがすっかり明るくなる.バス停から塔ノ岳を見上げると,山頂付近が真っ白になっている.どうやらかなりの積雪があるようである.

<煌々と光る月と金星>

■長い陰を引きずって…
 7時頃,バスは大倉に到着する.リュックから何時でも軽アイゼンが取り出せるように,軽アイゼンをリュックの一番上に入れ替える.
 7時08分,居合わせた常連の皆様と,ほぼ一緒に歩き出す.皆さんの背後から眩しい朝の光が射し込む.路面に長い陰が落ちているのが面白い.
 登山口辺りまでは,ほぼ全員が一塊になって歩き続けるが,山道に入ると塊がバラケ始める.
 7時46分,観音茶屋を通過する.この辺りまで来ると,列もかなりバラケてしまう.私は早い方なのか遅い方なのか良く分からないが,若手の方々の後に付いて,歩き続ける.

<長い陰を引きずって>

■見晴階段
 8時16分,見晴山荘を通過する.山荘前からは相模湾が太陽の光を反射して光っているのが良く見える.
 すぐに見晴階段に差し掛かる.例によって階段を見上げて,恒例の定点観測の写真を撮る.
 階段の下から上の方まで,沢山の登山者が数珠繋ぎになっている.昨日は鎌倉付近でも冷たい雨が降っていたが,この辺りはどうやら雪が降ったらしく,白いものがあちこちに見えている.
 見晴階段を登り始めて直ぐに,今日の私の体調は余り良くないことに気がつく.私は御身大切なので,
 “おまえ! 絶対にオーバーペースにならないように気を付けろよ…”
と自分自身に言い聞かせる.

<見晴階段>

■モミジ坂
 やがて,モミジ坂に差し掛かる.つい数週間前までモミジを楽しんでいたのに,今日は一変して雪景色になっている.
 私が知る限りでは,年明け前にこんな山麓の方まで,雪で真っ白になるのは珍しいことのように思える.

<モミジ坂>

■枯れ枝と富士山
 やがて駒止階段に差し掛かる.残雪が一段と多くなる.ここまでご一緒してきたJDさん,TDさん,NMさんに
 「ここからは,マイペース…どうぞ先へ…」
とお断りする.そして,私は雪がベッタリの駒止階段を登る.階段の途中で私よりもっと遅い人が居るので,追い越させて戴く.
 8時25分,駒止茶屋を通過する.大倉から駒止茶屋までの所要時間は1時間17分.雪で足許が悪いせいか,あるいは私の体調があまり良くないせいか分からないが,何時もに比較すると10分余り余計に時間が掛かっている.
 ベッタリと雪が降り積もった木道を通過して,堀山の尾根道に入る.ここで,先発のKIさん,MTさんに追い付く.
 残雪がますます深くなり始める.進行方向左手には雲一つない青空に目に染みるように真っ白な富士山が見えている.いつも同じ場所からの富士山の写真では面白くないので,堀山を少し過ぎたところから,枯れ枝の間に見える富士山の写真を撮る.

<堀山からの富士山>

■萱場平
 8時41分,堀山の家に到着する.ここで私のすぐ後ろを歩いていろYDさん,TDさん,NMさん達に,
 「私は,ここから花立山荘まで40分程度懸けて登りますので,お先にどうぞ…」
ということで,皆さんには先に行ってもらう.
 アイゼンを装着するほどではないが,積雪がますます深くなる.
 9時54分,萱場平を通過する.

<萱場平>

■雪の後7分坂
 雪道に入ってから,体力の消耗が激しいのか,息切れがする.私は“御身大切”ということで,更に登攀速度を落とす,先ほどまで,目の前に見えていたNMさん達ご一行の後ろ姿はもう見えなくなっている.
 それでも,ノンビリユックリ登っている内に後7分坂(花立階段)に到着する.階段には,かなりの雪がベッタリと残っている.シンドイので,それこそ止まりそうな速度で破れかぶれで登り続ける.

<雪の後7分坂>

■花立山荘
 後7分坂を,10分ほど掛けてヤットコサ登りきる.そして,9時20分,ようやく花立山荘に到着する.大倉からの所要時間は2時間12分.2時間を12分もオーバーしているとは不甲斐ないことだが,まあ,これも致し方ない.
 山荘前のベンチには誰も居ない.相変わらず富士山が良く見えている.

<花立山荘>

■光る海
 花立山荘から,花立山に向かう.相変わらずシンドイが,ノンビリユックリと登り続ける.前方にはYUさんの後ろ姿が見えている.花立山荘から13分掛けてようやく花立山山頂に到着する.平素は9〜10分程度で登っているのに…
 花立山山頂からの風景は実に素晴らしい.振り返ると,秦野の街の向こうに太陽の光を反射する光る海が見える.何とも壮大な風景である.

<光る海>

■富士山と南アルプス
 花立山山頂で暫く立ち止まって,周囲の素晴らしい風景をデジカメに収める.
 今日は空気がとても透明で,しかも雲一つない青空が広がっている.富士山だけでなく遠くの南アルプスの山々も手に取るようにはっきりと見えている.近場の鍋割山稜にも雪が降り積もっているのが見える.

<花立山から富士山と南アルプスを望む>

■雪の馬の背
 花立山を過ぎると,積雪も多く完全な冬山になる.登山道は雪に覆われている.9時40分,ようやく金冷シを通過する.馬の背付近からは更に積雪が増えはじめる.金冷シ付近の階段は,完全に雪に覆われている.
 登山道周囲の枯れ枝にはまだ大量の残雪が付着したままになっている

<馬の背付近の雪道>

■山頂直下で常連とすれ違う
 雪の写真を撮りながら,ゆっくりと登り続ける.
 山頂直下の急階段の所で,下山してくる常連3人の方とすれ違う.お二人の女性は,つい先ほどまで,私と一緒に登っておられた方である.もう一人の男性は,私より1本後のバスで来られた方である.
 これだけ山頂への到着時間が話されてしまったら“何をか言わん哉”である.
 「下で待っています…」
とのこと.

<山頂直下で常連とすれ違う>

■樹氷のトンネル
 山頂付近の木々は樹氷になっている.まるで樹氷のトンネルだ.樹氷の先には雲一つない真っ青な空が広がっている.
 私はラップタイムなどもうどうでもいいという気分になり,樹氷のレンズを向けて,沢山の写真を撮りまくる.

<樹氷のトンネルを行く>

■樹氷ともの凄い青空
 山頂の木道が雪に埋まっている.朝日を浴びて雪がキラキラと光っている.山頂の木々が綺麗な樹氷に変わっている.深い藍色の空が上空一面に広がっている.
 もう,ここは山頂に居るのと同じ.私は立ち止まって,沢山の写真を撮る.

<山頂の樹氷と青空>

■塔ノ岳山頂
 10時02分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温はマイナス1℃.思っていたより暖かい.
 大倉からの所要時間は2時間54分.
 “おや,おや,…随分とへばったし,道草をしたのに3時間を切っていたな…”
というのが,率直な感想である.
 山頂には殆ど登山者の姿はない.
 辺り一面に20センチメートルほどの積雪がある.

<塔ノ岳山頂>

■塔ノ岳から眺める富士山
 塔ノ岳山頂から四方の写真を撮りまくる.
 まずは富士山.雲がまったくない青空に富士山が聳えている,久々に眺める実に素晴らしい光景である.
 少々寒いが,塔ノ岳山頂からの眺望を堪能する.

<塔ノ岳山頂からの富士山>

■塔ノ岳山頂から南アルプスを望む
 今日は素晴らしい天気である.南アルプスの山々が手に取るように見えている.
 私は,夏山ながら,今見えている南アルプスの山々の殆どに登った経験がある.そのときのことを思い出しながら,暫くの間,南アルプスの山々を眺めている. 

<塔ノ岳山頂から南アルプスを望む>

■尊仏山荘
 山頂での一連の儀式を終えてから,尊仏山荘に入る.
 MTさん,TTさん,NMさん,UMさんの常連の先客が客席の片隅に屯している.私もご常連の皆様の近くに座る.300円也のお茶を所望する.
 今日の小屋番は,オーナーのHDさん,WBさん,HYさん.
 ニギリメシの昼食を終わる頃,IIさんとTGさんが尊仏山荘に入ってくる.

<尊仏山荘>

■尊仏山荘のネコ
 花立美弥雄さんが,石油ストーブ前を占領している.暖かくて気持ちが良さそうである.何の屈託もなさそうなネコを見ていると,何となくほんわかした気分になる.でも,一方で,
 “こいつ,何を考えているんだろう…”
と思うと,何だか奇妙な気分になる.

<華伊達美弥雄さん>

■樹氷を見ながら下山開始
 10時48分,尊仏山荘から下山を開始する.
 私たちが尊仏山荘で休憩を取っている間に,山頂で休憩を取る登山客が随分と増えている.
 塔ノ岳山頂のポールの前で,YGさん,NMさん,IIさんなどの皆さんと一緒に集合写真を撮ってから,途中の素晴らしい紅葉を楽しみながらの下山である.
 山頂付近は雪の急坂が連続するが,新雪なのでノーアイゼンで下山し続ける.
 花立山を過ぎたところで,山旅スクール6期および8期の男性を含む10人ほどのグループとすれ違う.ミロクの方々である.
 花立山荘付近まで下山したところで,キャベツのTZさんとすれ違う.

<山頂付近の樹氷>

■堀山の家に立ち寄る
 花立山荘で,別のミロクグループが休憩を取っている.その直ぐ脇に尊仏山荘の小屋番,WDさんが座っている.うっかり見落とすところである.
 WDさんは今日から年明けまで尊仏山荘で小屋番だそうである.小屋番の仕事も随分と大変だなと思う.
 下山し続けている内に,NMさんと私が先頭になり,何時の間にか,後続の方との間が広がっている.
 12時12分,堀山の家に到着する.後続のTGさん,IIさんを待つために,堀山の家に立ち寄る.先客はTTさん,MTさん,KIさん,TDさん.山荘前で集合写真を撮ってから,先客とお別れする.
 私は喉が渇いているので,250円也のサイダーを所望する.サッパリとしていて,とにかく美味しい
 5〜6分ほと過ぎたところで,TGさんとIIさんが堀山の家の前を通過する.私たちもお二人に合流する.それ以降,また,少しバラバラになるが,13時32分,無事,大倉バス停に到着する.
 下り所要時間は休憩時間込みで2時間24分.

■今日も無事終わった
 大倉発13時40分のバスに乗車する.結局,1番バスに乗車していた常連の大半が,同じバスに乗っている.バスはほぼ満席.
 渋沢駅ビルの某コーヒーショップでお茶でも飲もうということだったが,家に少々立て込んだ用事があるので残念ながら,お茶は欠席.そのまま小田原経由で,15時過ぎに帰宅する.
 例によって着衣などは直ぐに洗濯する.そして,熱めの風呂をユックリと堪能する.
 こうして,今日も充実した一日を送ることができた.良かった! 良かった!

<ラップタイム>

 7:08  大倉歩き出し
 7:46  観音茶屋
 7:54  見晴山荘
 8:25  駒止茶屋
 8:41  堀山の家
 9:20  花立山荘
 9:40  金冷シ
10:02  塔ノ岳山頂着(-1.0℃)
10:48      〃  発
10:25  花立山荘
12:12  堀山の家 (12:20までコーヒーブレーク)
12:29  駒止茶屋
12:49  見晴山荘
13:06  観音茶屋
13:32  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発      7:08
  塔ノ岳  着      10:02
  (所要時間)  2時間55分(2.92h)
  水平歩行速度   7.0km/2.92h=2.40km/h
  登攀速度    1269m/2.92h=434.6m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発      10:48
  大倉   着      13:22
  (所要時間)  2時間24分(2.40h)
  水平歩行速度     7.0km/2.40h=2.92km/h
  下降速度     1269m/2.40h=528.8m/h
                                                                   (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4d02ad9a6853bbe2e0984d681bbe10e7
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし) 

※誤字脱字…缶ミスは後刻修正する.


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