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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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酷暑に耐えられず花立山でリタイアした丹沢;塔ノ岳(2018年21回目)

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                           <花立山山頂>

      酷暑に耐えられず花立山でリタイアした丹沢;塔ノ岳(2018年21回目)
               (単独山行)
        2018年7月21日(土) 晴;酷暑

▇戸惑いながら出発
 このところ毎日が猛暑日の連続である.
 テレビではこのところの猛暑は殺人的なので,高齢者はなるべく外出を控えて,冷房の効いた部屋で過ごすようにと報道している.もちろん高齢者の一人である私も,この暑い最中に何で塔ノ岳くんだりまで出掛けなければならないのか,自分でも良く分からない.でも,私の頭の中に組み込まれている法則の一つに,雨でなければ毎週土曜日に塔ノ岳に登るというのがある.
 私は,熱中症対策として,ハイドレーションシステムにおよそ2リットルの水と,500ミリリットルのテルモスに冷水を入れ,さらに大船駅前のコンビニでポカリスエットと男梅を購入した.
 毎度同じ経路で,6時11分に小田急線渋沢駅へ向かう.途中,新松田駅手前で,熱気で立ち上った霞を透して薄く霞んだ富士山が見えている.
 ”今日はやけに蒸し暑そうだなぁ~…”
 私は,この時点で,今日の塔ノ岳の終点は,小草平(堀山の家)辺りにしようと心に決める.

<小田急車窓から富士山と矢倉岳を望む>

▇バス停大倉から登山開始
 7時08分,バス停大倉から歩き出す.同じバスに乗り合わせた毎日登山のTGさん,AIさんとほぼ同時の出発である.
 気温がどの程度か良く分からないが,とにかく朝の内からうだるような蒸し暑さである.歩き出してほんの200メートルも歩かない内に,もう汗が噴き出始める.バス停から700メートルほど離れたところが登山口である.7時15分,やっとこの登山口に到着する.たった700メートルを歩くのに,7分も掛かっている.
 7時20分,克董窯を通過する.この辺りから夏場に強いTGさんの後ろ姿がだんだんと遠のいていく.
 ”こりゃあ~…今日はもう駄目ダ!”
 私の「登ろう」という意欲は,消えそうになる.でも,折角,高い電車賃を支払っているんだから,せめて小草平ぐらいまでは登りたいなとも思う.
 7時26分,丹沢ベースを通過する.ここまでの間に,随分沢山の若者に追い抜かれる.
 丹沢ベースを過ぎて程なく日の当たる坂道に到着する.ここまで登れば,いくらか風が吹いていないかと期待したが,今日に限って,全く無風である.木々の濃い緑の間からまぶしい夏の太陽が射し込んでいる.私は汗をぬぐいながら,ウルトラスローペースで登り続ける.

<日の当たる坂道>

▇ユリの花咲く観音茶屋
 7時36分,やっと観音茶屋に到着する.バス停大倉から約1.6キロメートルの地点である.塔ノ岳山頂まではあと3.4キロm-トル.この案内標識に覆い被さるように見事なユリが咲いている.ユリは正に真夏の女王だなと思いながらユリの花の写真を撮る.
 まだ時間が早いので観音茶屋は開店前である.

<観音茶屋近くのユリ>

▇雑事場ノ平
 何時もならば,観音茶屋を過ぎる頃には,体調も山馴れ状態になって,楽に登り続けられるようになるはずだが,今回はそうはいかない.相変わらず調子は今ひとつである.
 気がつくと,私の前後に居られた常連の皆さんは誰も居ない.TGさんはもうずっと先へ言ってしまったし,つい先ほどmで近くに居られたAIさんの姿も見えなくなってしまった.
 ”一体,どこに消えたんだろう? オレの前か,それとも後ろか…?”
 …ま,ともかく,7時55分,やっと雑事場ノ平を通過する.ここまで登れば多少なりとも風が吹いているかなと期待していたが今日はダメ.
 先ほど勢いよく私を追い越していった若者のグループが,雑事場ノ平のベンチで休憩を取っている.

<雑事場ノ平>

▇見晴茶屋近くのユリ
 7時57分,見晴茶屋に到着する.真夏の太陽が真正面か見晴茶屋に照りつけている.茶屋はまだ開店前だがまともに朝日を受けているのでいかにも蒸し暑そうである.
 茶屋のすぐ側でユリが見事に咲いている.勿論立ち止まってユリの写真を撮る.

<見晴茶屋近くのユリ>

▇見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.
 何時ものように階段を見上げた写真を撮ってから,階段を登り始める.階段を見上げると沢山の登山客の後ろ姿が続いている.今日も相変わらず登山者が多いようである.
 階段を登り始めて間もなく,次のバスで来られた韋駄天のMGさんが私に追いつく.そして軽々と急坂を登っていく.私が坂道を3分の1も登らないうちに,MGさんの後ろ姿は私の視界から消えていく.
 階段をほぼ登り切った辺りに1ヶ月ほど前に男性が心臓発作で急逝された場所がある.献花がその場所に置かれている.献花の前を通過しながら,自分ももっと気を付けながら登らなければと自分の気持ちを引き締める.

<見晴階段>

▇駒止茶屋
 モミジ坂をノロノロと登り続けて,8時21分,漸く一本松に到着する.大倉から歩き出してもう1時間13分も経過している.
 一本松で,汗びっしょりの若者3人が,荒い息づかいをしながら汗びっしょりになって立ち止まっている.余計なお世話かと思ったが,
 ”もうちょっと先に,ベンチがありますよ”
と教えてあげる.
 8時36分,そろそろ駒止階段に差し掛かる頃,下山してくるKSさんとすれ違う.
 「やあ,やあ,FHさん…」
で何時ものように握手.
 「今日は蒸し暑いので,十分注意してくださいよ…」
と励ましのお声を頂戴する.
 やがて,駒止階段.正直なところ,やれやれここを登るのかと意気消沈.気を取り直して.一段,一段,極々ユックリ登って.8時43分,ようやく駒止茶屋に到着する.大倉からの所要時間は1時間35分.いくら蒸し暑いとはいえ,実に情けないラップである.

<駒止茶屋に到着>

▇堀山の尾根道
 堀山の尾根道に差し掛かる.暫くの間,ほぼ平坦な尾根道が続く.大倉尾根で一番愉しく歩ける場所である.
 何時もならば,個々だけでも颯爽と歩いているつもりだが,今日はダメ.蒸し暑さによる疲労が蓄積し始めているのでとにかく気勢が上がらない.
 やがて富士山が良く見える場所に到着する.さきほど小田急の車窓から富士山を眺めたばかりなので,ここからの富士山の眺めに期待をしていたが,何時の間にか雲が湧いてしまい.富士山は雲の中である.
 8時58分,堀山の標識前を通過する.ここから暫くの間緩い下り坂が続く.そして登り返しを歩いて,9時09分,漸く本日の終点,小草平に到着する.大倉からの所要時間は2時間01分.絶望的なラップである.
 堀山の家の温度計は27℃を指している.案の定,この標高にしてはやたらと蒸し暑い気温である.

<小草平に到着>

▇小草平(堀山の家)
 堀山の家に立ち寄る.女主人が愛想良く迎え入れる.
 まずは250円也の冷たいものを所望する.まだ開店したばかりなので,開店準備中である.
 「…アイスボックスに入れて持ってきたばかりなので,冷たいと思いますよ…」
とのことで,爽健美茶を頂戴する.
 そうこうしているうちに,次のバスで来られたTTさんが汗びっしょりになったまま,堀山の家に到着する.

<堀山の家で一休み>

▇萱場平を目指して
 9時35分,堀山の家で休憩を取っていたTTさんが,塔ノ岳を目指して,堀山の家から再び歩き出す.
 私は堀山の家で休憩を取った後,下山するつもりだったが,なんとなくTTさんに釣られて,
 ”折角だから,萱場平まで登ろうかな…”
という気分になる.
 …という訳で,気まぐれ登山を再開.TTさんの後ろ姿がドンドン小さくなるのを眺めながら,ノロノロ登山を続ける.
 ただ,ちょっとでも歩行速度を上げようとすると,後頭部つまり首の付け根辺りがちょっと重たい感じになる.これは熱中症のごく初期の症状に違いないので,大事を取って,そうならないようにさらに歩行速度を落とす.もちろん,ハイドレーションシステムをつかって絶えず水分を補給する.さらにはときどき男梅を口に入れて塩分を補給する.注意をすれば熱中症は100パーセント予防できると信じながら…
 10時04分,ようやく萱場平に到着する.丁度そのとき,下山してくるチャンピョンとすれ違う.
 「…おや,FHさん.元気ですね…」
と私に声を掛けながら下山していく.
 私は.
 ”ここまで登ればもういいや…”
という気分で,萱場平のベンチに座り込む.
 一休みしたら下山するつもりである.

<萱場平>

▇ついでに花立階段まで登ろう
 10時15分,そろそろ下山しようかと思って立ち上がる.
 気がつくと,ベタベタ汗が何時の間にか引っ込んでいる.蒸し暑さもそれほど感じなくなっている.
 ”…ん,なら…せめて花立階段の下まで登ろう…”
ということで,方向転換.鈍足ながら登り続けることにする.
 でも,いざ歩き出してみると,やっぱり蒸し暑い.
 ”まだか,まだか…”
と思いながら,少しずつ足を進める.
 途中,ユリの花やホタルブクロの写真を撮りながら登り続けて,10時40分,ようやく花立階段下に到着する.
 ここからの富士山の眺めは最高だが,今日は雲が低く垂れ込めていて,富士山は全く見えない.ちょっと残念だが,弧お辺りで今日の登山は終わりにして下山しようかと思っていると,後のバスで来られた常連のNNさんとバッタリ.NNさんと立ち話をしている間に,ついでだから花立山荘まで登ろうという気になる.そこでNNさんから少し遅れて,花立階段を登り始める.
 階段を半分ほど登ったところで,下山してくるMGさんとすれ違う.
 「花立山荘まで登ったら下山します…」
 「ゆっくりで良いですよ.TGさんもユックリ下山すると言っていましよ…」
とのこと.

<花立階段下から富士山方面を望む>

▇花立山荘
 あともう少しで花立階段が終わりになる所で,下山してくるTGさんとすれ違う.
 「私,花立山荘まで登って,すぐに下山します…」
と言付けしてお別れする.
 10時55分,やっと花立山荘に到着する.大倉からの所要時間は3時間47分.なんとまあ…呆れるばかり.
 花立山荘の気温は27.5℃.
 私より先に花立山荘に到着したNNさんと一緒に風通しの良い隅っこにベンチに座って休憩を取る.ただ,何処に座ってもほとんど無風である.

<花立山荘>

▇結局,花立山山頂まで
 11時05分,NNさんが塔ノ岳を目指して出発する.私も釣られて,一緒に登り始める.本当は下るはずだったのに…
 長く休憩を取ったためか,汗も引っ込んで,今度はやけに調子よくなる.花立山荘から先の階段道を調子よく登って,ガレ場に入る.
 TNさん,KIさんが下山してくる.
 「…もう少し登ってから下山します…」
と挨拶してすれ違う. 
 残念ながら折角期待していた眺望も雲に遮られてしまいダメ.
 11時14分,花立山山頂に到着する.花立山荘から花立山山頂までの所要時間は9分.10分を切れば「御の字」である.9分は大倉から塔ノ岳までのラップが2時間40~50分台のときのラップに相当する.
 調子が出てきた私は,このまま塔ノ岳山頂まで登りたいなと思う.でも,山頂まで登ったら,大倉発13時10分のバスには絶対に間に合わない.
 私は山頂まで登るのを諦めて,花立山山頂から下山することにする.
 ここでNNさんとはお別れである.

<本日の終点,花立山山頂>

▇下山も蒸し暑くて…
 11時15分,花立山山頂から下山開始.
 大倉発13時08分のバスに間に合うかなと懸念しながら下り続ける.
 11時45分,萱場平に到着する.この辺りまでは順調に下山し続けたが,萱場平を過ぎる辺りから,熱気が次第に強くなり,下山にもかかわらず,汗が噴き出てくる.
 ”これはまずいな…”
ということで歩行速度を緩める.
 下れば下るほど,標高が低くなればなるほど,ますます蒸し暑くなる,当たり前だけれど…
 12時02分,ようやく小草平に到着する.堀山の家で女主人と暫く立ち話.さきほど,AIさんが,私より後に堀山の胃炎立ち寄ってから下山されたとのこと.
 堀山の尾根道で,TGさんに追いつく.
 TGさんが,観音茶屋で氷水を飲んでからユックリ下山するから先に行ってくれとのことなので,追い越させて貰う.
 12時21分,駒止茶屋を通過する.
 駒止階段を降りると,ますます蒸し暑くなる.随分とユックリ歩いているのに汗が停まらない.

▇観音茶屋の氷水
 何時もならば,小草平を過ぎる頃から歩行速度を上げることにしているが,今日は蒸し暑くてダメ.下山途中で,大倉発13時08分のバスに乗るのを諦める.
 13時02分,観音茶屋に到着する.次のバスに乗車するなら,10分弱の余裕がある.私は観音茶屋に立ち寄って,氷水を所望する.女主人と雑談しながら,氷水を美味しく頂戴する…が,冷たいものを食べるのがどうも苦手な私は,サッサとかたづけることができない.
 13時18分,漸く氷水を食べ終えて,観音茶屋を出発する.私と入れ替わりにTGさんが,観音茶屋に到着する.

<観音茶屋の氷水>

▇ありゃりゃ…間に合わないぞ
 途中までちょっとの間,ノタノタ歩きを続けるが,こんなことをしていたら13時38分のバスにも間に合わないことに気がつく.そして,丹沢ベース付近から,小走りで下り続ける.もちろん熱中症にならないように気を付けながら…
 急ぎに急いで,13時35分,バス停大倉に到着する.バス停に停車中のバスに飛び乗る.
 すると,どこからともなく,先に下山していたMGさんとAIさんが同じバスに飛び乗ってくる.3人揃って最後部の席に並んで座る.
 私は気がつかなかったが,お二人ともドングリハウスの待合室に居られたようである.私が走ってバスに飛び乗ったのを見て,急いで乗車したとのこと.
 申し訳ないことをした.

▇渋沢でコーヒーブレーク
 渋沢駅ビル1階のミスタードーナッツで3人揃って270円也のコーヒーブレーク.30分後のバスで来られTGさんも合流.コーヒーをお替わりして,1杯135円に.
 他愛のない雑談をしてお開きに.

<ミスタードーナッツでコーヒーブレーク>

▇無事帰宅
 お三方と渋沢駅でお別れして,小田原経由で帰宅.小田原での接続が悪くて20分以上も待たされる.その間に特急電車がサッサと通過していく.
 でも16時過ぎに何とか無事に帰宅する.
 息子夫婦が来訪中.孫娘は友達と映画を見に行ったとかで別行動中のようである.
 今日は塔ノ岳山頂まで登らずに下山したので,授業を早退してずる休みをしたよなちょっと後ろめたい感がある…が,まあ,ともかく標高差で1000メートル以上登ったので,これで良しとしておこう.

<ラップタイム>

  7:08    大倉歩き出し
  7:30  観音茶屋
  7:07  見晴茶屋
  8:43  駒止茶屋
  9:09  堀山の家(9:35まで休憩)
10:04  萱場平(10:15まで休憩)
10:55  花立山荘(11:05まで休憩)
11:14  花立山着
11:15     〃 発
11:27    花立山荘
12:02  堀山の家
12:21  駒止茶屋
12:33  見晴茶屋
13:02  観音茶屋(13:24まで休憩)
13:36  大倉着

[山行記録]

▇水平歩行距離        5.8km(片道)

▇累積登攀下降高度        1,1229m

▇上り所要時間(休憩時間込み)
 大倉発           7:08
   花立山着              11:14   
    (所要時間)         4時間06分(4.10 h)
  水平歩行速度       5.8km/4.10h= 1.41km/h
  登攀速度         1,122m/4.10h=274m/h

▇下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳発         11;15   
  大倉着            13:36
   (所要時間)         2時間21分(2.35h)
 水平歩行速度         5.8km/2.35h=2.47 km/h
 下降速度          1,122m/2.35h=477m/h
                                   (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/fcf48067fedcdc154afb8d9441455e08
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

お断り;
 これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
 また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します.



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