<塔ノ岳山頂>
最悪の猛暑の中,熱中症を気にして登る丹沢;塔ノ岳(2018年20回目)
(単独山行)
2018年7月14日(土) 晴・今年一番の猛暑
▇出掛けるのを迷う
天気予報では,今日の東京の最高気温は35℃,テレビで,今日は熱中症の危険極めて大なので不要不急の外出は避けて,自宅の涼しいところで過ごすようにというコメントが流れた.
毎土曜日,雨でなければ塔ノ岳に出掛けるようにしている私は,正直なところ,テレビで外出を避けるように言っているのに,よりによってこんな蒸し暑い日に,わざわざ出掛けて熱中症にでもなったら,周りに方々に迷惑を掛けることになるので,出掛けるのを止めようかと何回も思った.
でも一方では,先週の土曜日は所用があったので塔ノ岳に行けなかったので,もし今回行かなければ3週間もの間が空いてしまう.そんなに長い間明けたら,若い頃ならいざ知らず,年寄りの私は確実に”一巻の終わり”になってしまい,二度と塔ノ岳には登れなくなってしまう.熟慮の結果,
””とにかく出掛けよう…無理せずに小草平辺りまで登ることにしよう…”
ということで,何時ものように4時10分に自宅を出発する.
夏至を過ぎてから,早,3週刊ほど経過している.心なしか日ノ出が少し遅くなったのか,外はまだ薄暗い.
一歩外に出た途端に,何時もより空気がネットリしていて,ムシムシしている.何とも暑苦しいような息苦しいような感じである.
▇歩き出しから蒸し暑い
大船駅から何時ものように,東海道本線下り初電沼津行に乗車する.今日は3連休の初日のためか,何時もの土曜日より電車が混雑しているようである.
小田原で小田急電車に乗り換えて6時11分に渋沢駅に到着する.大倉行バス停にはもう4~5人の先客が居る.この蒸し暑いのに,今日も登山客が多そうである,臨時バスが出る.有難い.乗り合わせた常連はITさん,KMさん,IWさん,AIさん.ランナーのHさん.バスは6時50分に大倉に到着する.
6時54分,大倉から歩き出す.
気温が何度あるか分からないが,まだ早朝だというのにムシムシ,ベタベタで,とてもではないがサッサとは歩けない.どんなにユックリ歩いても,体中から汗が吹き出てくる.私は懐に「男梅」を忍ばせている.塩分補給のためである.またハイドレーションシステムには2リットル余りの水を入れている.それに小型のテルモスには冷たいお茶500ミリリットルを持参している.
私は数え切れないほどの若者に追い抜かれながら,哀れっぽい姿で超スロースピードで登り続ける.歩きながら,
”今日の終点は,堀山の家だな…”
と心に決める.
先週土曜日は所用があって,塔ノ岳には登らなかった.従って,塔ノ岳は2週間も間が空いてしまった.この2週間のブランクは大変なものである.とにかく体中が石になったように重たく感じる.
▇日の当たる坂道
登山口を通過して暫く登ったところから石が敷き詰められている土道になる.ベタベタに濡れているわけではないが,しっとりとした感じである.なんとも山ヒルが居そうな感じの道が連続する.
7時13分,やっと丹沢ベースを通過する.汗のために衣服がべとべとまつわり付く.どんなにゆっくり歩いても汗がとめどもなく流れ出す.
ようやく日の当たる坂道に入るが,微風すら吹かない.刺すような日差しが樹木の間から射し込んでいる.
”う~ん…一向に涼しくならないな…”
<日の当たる坂道>
▇観音茶屋のユリ
7時24分,ようやく観音茶屋に到着する.
いくら暑いと言っても,折角,遠路遙々丹沢まで来たのだから,まさかここで”もう,ヤメタ”という訳にもいかないので,もう少し登ろうと思う.
観音茶屋の脇に立派なユリが咲いている.真夏の風物詩である.私は立ち止まってユリの花の写真を撮る.
<観音茶屋のユリ>
▇雑事場ノ平
観音茶屋を過ぎると石ころだらけの山道に入る.山道は大きくジグザグをしながら高度を上げていく.私は相変わらず気勢があがらない状態で登り続ける.
7時4分,ようやく雑事場ノ平に到着する.何時もならば,雑事場ノ平には涼しい海風が吹き抜けているが,今日はほとんど無風のまま.ちょっとガッカリ.
ベンチではつい先ほど私を追い越した方々が休憩を取っている.
雑事場ノ平から尾根道を辿って見晴茶屋に向かう.
<雑事場ノ平から見晴茶屋へ>
▇見晴茶屋からの眺望
7時47分,やっと見晴茶屋に到着する.
見晴茶屋から相模湾を見下ろす.上空には雲が多いものの青空が覗いている.海と空の境目が望洋としている.なんとも蒸し暑そうな風景である.
<見晴茶屋からの眺望>
▇見晴階段
見晴階段に差し掛かる.
何時ものように階段を見上げた写真を撮る.沢山の登山者の後ろ姿が見える.
”こいつを登るのか…辛いな”
なにせ熱中症が怖いので,全くの牛歩で登り続ける.勿論,途中で沢山の人に追い越される.
<見晴階段>
▇一本松
8時11分,ようやく一本松を通過する.大倉からの所用時間は1時間17分.メチャメチャ遅いけれども,暑さにことのほか弱い私は,
”さもありなん…結構,結構…”
と自分を慰める.
一本松上の平坦道に差し掛かる.
水平道の入り口に設置されているベンチには,先ほど私を追い越していったほとんどの方々が休憩を取っている.
何時もならこの水平道はかなり歩行速度を上げて歩くが,今日はダメ.相変わらず蒸し暑いの何のって…どうしようもない感じである.
<一本松上のベンチ>
▇やっと駒止茶屋
やがて駒止階段に差し掛かる.
ここで,次のバスで来られた韋駄天のMGさんが,早々と私に追いつく.
「今日,TGさんは花立山荘まで登るようですよ…」
とのこと.
「私も,今日は無理をしないで,途中から下山します…」
私がノソノソと階段を登っている間に,TGさんの後ろ姿はみるみるうちに小さくなっていく.
8時33分,ようやく駒止茶屋を通過する.大倉からの所用時間は1時間39分.途轍もなく遅いラップである.
”情けないったら,ありゃしない…”
<駒止茶屋>
▇やっぱり蒸し暑い堀山の尾根道
堀山の尾根道に差し掛かる.
何時もなら快適に歩くところだが,今日は微風すら吹かずネトネト空気が漂っているだけで,蒸し暑いだけである.とてもではないが颯爽と歩くにはほど遠い.
”こりゃぁ…本当に駄目ダ!…今日は後草平を終点にしよう…”
<蒸し暑い大倉の尾根道>
▇やっと見える富士山
晴れていれば富士山が見える場所に到着する.
この頃,すっかり大きくなった木々に阻まれて,ただでさえ富士山が見えにくくなったが,それでも薄らと富士山が見えるような,見えないような…
何時もより露出時間を減らして,写真を撮るが富士山が見えるかな?
8時40分,堀山の標識前を通過する.ここから暫く下り坂.体力の回復を期待しながらユックリと坂道を下る.
<富士山が見えるような見えないような…>
▇今日の終点,小草平(堀山の家)
ちょっとした登り返しを登って,8時58分,漸く小草平に到着する.
ここが本日の終点である.堀山の家の温度計は26℃.暑いわけである.
おぼろげながら富士山が良く見えている.この猛暑の時期に富士山が見えるのはラッキーかもしれない.
ベンチに座り込んで,暫くの間,休憩を取りながら,TGさんが現れるのを待つ…が,一向に現れない.
<堀山の家から富士山を望む>
▇もう少し登ってみよう
蒸し暑いながら,休憩を取っている間に,幾分体力が回復する.
TGさんは一向に現れないが,見切りを付けて,萱場平まで登ってみようかという気になる.
9時05分,小草平から歩き出す…が,歩き出した途端にまた蒸し暑さが全身に襲ってくる.何しろ信州生まれの寒冷地仕様の私は蒸し暑い夏がことのほか苦手である.
ヤセ尾根を抜けて,ガレ場のジグザグ道をユックリと登り続ける.
やがて富士山が良く見える場所に到着する.うっすらながら富士山が良く見えている.早速立ち止まって富士山の写真を撮る.
<小草平上のガレ場から富士山を撮る>
▇萱場平で一休み
9時35分,やっと萱場平に到着する.相変わらず蒸し暑い.
”もうダメ,今日はここまでだ…”
ということで,進行方向左側のベンチにヘタヘタと座り込む.
”TGさんが現れたら,私,ここから下山しますと挨拶して先に降りよう…”
と思いながらTGさんの到着を待つ.
チャンピョンが下山してくる.私を目ざとく見付けて,手を振っている.
<萱場平>
▇序でに花立山荘よりちょっと上へ…
まだ,TGさんは現れないが,9時48分,TGさんの到着を諦めて,下山しようかと思うが…休憩を取っている間に,もう少し登っても良いなという気分になる.
”じゃあ…花立階段の下まで言ってみようかな…”
ということで,下山するのではなく,逆に登り始める.
ちょっとでも歩行速度を上げると,すぐに体中がヒイヒイするので,正に牛歩の連続である.もうほとんど何も考えずに半ば麻酔状態で登り続ける.ただ,水分と塩分の補給だけは半自動的に続ける.途中で沢山の登山者に追い抜かれるが,逆に坂の途中で立ち止まっている登山客も結構居る.
やがて花立階段に差し掛かる.ちょっと前までは,この坂を「後七分坂」というあだ名で呼んでいたが,今は7分でこの坂を登るなんて夢のまた夢である.
休み休みそれこそ”老体にむち打って”(…でもないか),10時28分,やっと,花立山荘に到着する.大倉からの所用時間は3時間34分.もうメチャメチャなラップである.花立山荘の気温は24℃.クソ暑い.
私は水彩画の題材が欲しかったので,花立山荘からちょっと先の花立山山頂直下まで登って,辺りの写真撮る.何時の間にかかなりガスっていて,風景は期待外れである.
私はすぐに下山することにする.
<残念ながら冴えない風景だ>
▇花立山荘で一休み
12時45分,再び花立山荘へ.
蒸し暑いので,何か冷たいものが欲しくなる.
山荘の中へ.
今日は蒸し暑いので,かき氷が大繁盛である.小屋番のカナブン氏が,休む暇もなくかき氷を作っている.かき氷を作る機械が手回し式なので,これは大変な重労働だなと感心する.私は冷えたコーラを所望する.
外のベンチで,コーラを飲みながら涼んでいると,MGさんが下山してくる.
「…私,今日はここを終.後から下山します」
「では,ユックリ先に下山しています…観音茶屋で氷水飲んでいます」
ということで,MGさんとお別れする.
コーラを飲みながら,休んでいるとYMさんがヒョッコリ現れる.
「渋沢に15陣間に合うように,塔ノ岳山頂まで登ります…」
とのこと.
この言葉を伺って,私も俄然山頂まで登りたくなる.
「そうですか! では私も山頂まで登ります」
ということで,10時51分,花立山荘から登り始める.
<花立山荘でコーラ>
▇やっと塔ノ岳山頂
11時01分,花立山山頂を通過する.
30~40メートル先を歩いているYMさんとの距離が次第に縮まり始める.谷間から”ジージー”という虫の声が聞こえてくる.これも夏の風物詩である.
11時06分,金冷シを通過する.
花立山荘で休憩を取ったのと,気温がいくらか下がったので,体調はバッチリになっている.途中の階段あたりからYMさんの先を歩かせて貰う.
2番目の階段道で,下山してくるTTさん,MTさん,KIさんのお三方とすれ違う.
「ほう,山頂まで登られたんですね,頑張りましたね」
と祝福してくれる.
11時23分,ぶじ塔ノ岳山頂に到着する.花立山荘からの所用時間は32分.まあこの程度の所要時間なら文句なしである.
ただ,大倉からの所要時間は,なんと4時間29分.
”オレって,暑さには滅法弱いな…”
というのが率直な感想である.
ちなみに山頂の気温は24℃.やっぱり暑い…が,風が吹いているので,体感的には涼しい.
あいにく上空に雲が掛かっていて,視界は余り利かない.残念ながら富士山は雲の中である.
山頂でYMさんと並んで座りながら昼食を摂る.
<塔ノ岳山頂からの眺望>
▇山小屋に立ち寄りながら下山
11時38分,下山速度が遅い私は,YMさんより一足先に下山開始.
下りは登りほどの体力は要らないので,ずいぶんと気楽である.ただ,山頂から小草平までのガレ場の急坂は特に慎重に下山するんで,どうしても時間が掛かる.
11時50分,金冷シを通過する.そして11時58分,花立山山頂を通過する.
最近,花立山荘近くの階段道を整備したらしくずいぶんと歩きやすくなっている.感謝!感謝!である.
12時06分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチは沢山の登山者で賑わっている.
12時26分,萱場平を通過する.中学生らしいグループが休憩を取っている.
12時48分,小草平の堀山の家に到着する.女主人が玄関先で,私を見付けて,
「おかえりなさい…」
と挨拶する,釣られて店内に入って,冷たい飲み物を所望する.250円也のオレンジジュース.
▇無事下山
12時50分,堀山の家を出発する.
堀山の道標まで上り坂が少々シンドイが,そこを過ぎると後は下り坂だけである.もう重力に逆らわずに淡々と下っていれば良い.
堀山の尾根道を良い気分で歩き続けて,13時08分,駒止茶屋を通過する.
駒止階段を慎重に下る.途中で危なっかしい足取りで降りている3人グループを追い抜く.20メートルほど先を下山している人の後ろ姿が見える.
階段を下り終えてから追いついてみると,YMさんである.どうやら私が堀山の家でジュースを賞味している間に追い抜かれたようである.
私は大倉14時10分発の路線バスに乗りたかったので,先に行かせて貰う.
13時42分,観音茶屋を通過する.ひょっとしたら常連のどなたかが居られるかと思ったが誰も居ない.もちろん私も通過する.この時点で目指すバスに間に合うなと確信する.
14時03分,無事,大倉へ下山する.大急ぎで靴を洗い,冷たい実zで顔を洗う.気持ちよい.
14時10分発のバスに乗車する,ぎりぎり座れる.良かった!
▇渋沢駅ビルのミスタードーナッツでコーヒーブレーク
14時23分,バスは渋沢駅に到着する.
いつもより大分遅いバスだが,念のため,駅ビル1階のミスタードーナッツを覗いてみる.
TGさん,MGさん,AIさんそれに塔ノ岳には登らなかったがSSKさん,YSさん,それに千葉のYDさんが居られる.皆さん,店内に入った私を見付けて,おいでおいでをしている.
「YMさん一緒ではなかったの…?」
「…ええ,まあ,…14時10分のバスに間に合いそうだったので,先に下山しました…」
実はこれから皆で揃って小田原の魚河岸に行く予定である.私は所用があって不参加だが…
370円也のコーヒーを所望する.1回お替わりを氏t1杯135円になる.
<ミスタードーナッツでコーヒーブレーク>
▇今日一日も無事だった
渋沢から小田原まで皆さんと一緒の電車に乗車する.
小田原で皆さんとお別れして,独り寂しく東海道本線の上り電車に乗車する.車内の冷房が効きすぎていて寒い.小田原から30分余りで無事大船に到着する.
大船に下車した第一印象は,絶えず海風が吹いていてとにかく涼しい.やっぱり夏場は湘南に限るなと実感する.
家に戻って,まずはシャワーだ.
汗を洗い直して,新しい下着に着替える.そして夕食まで昼寝だ.極楽! 極楽!
<ラップタイム>
6:54 大倉歩き出し
7:24 観音茶屋
7:47 見晴茶屋
8:33 駒止茶屋
8:58 堀山の家(9:05まで休憩)
9:35 萱場平(9:48まで休憩)
10:28 花立山荘(10:51まで休憩)
11:00 金冷シ
11:23 塔ノ岳着
11:38 〃 発
11:50 金冷シ
12:06 花立山荘
12:47 堀山の家(12:50まで休憩)
13:08 駒止茶屋
13:28 見晴茶屋
13:42 観音茶屋
14:03 大倉着
[山行記録]
▇水平歩行距離 7.0km(片道)
▇累積登攀下降高度 1,269m
▇上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 6:54
塔ノ岳着 11:38
(所要時間) 4時間29分(4.48 h)
水平歩行速度 7.0km/4.48h=1.56 km/h
登攀速度 1,269/4.48h=283m/h
▇下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 11;38
大倉着 14:03
(所要時間) 2時間25分(2.42h)
水平歩行速度 7.0km2.42h=2.89 km/h
下降速度 1,269m/2.42h=524m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/fcf48067fedcdc154afb8d9441455e08
「丹沢の山旅」の次回の記事
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