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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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樹氷を存分に堪能したが疲労困憊の丹沢;塔ノ岳(2018年3回目)

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                        <塔ノ岳山頂>

       樹氷を堪能したが疲労困憊の丹沢;塔ノ岳(2018年3回目)
                (単独山行)
          2018年2月4日(日) 小雪後曇り後晴れ

▇久々の塔ノ岳だ…!
 新年を迎えてから,私の身辺がやたらに忙しくて”参った!”,”参った!”の連続である.あちらこちらの葬儀に参列したり,永久の眠りに入った身内を見送ったり,それに確定申告がややこしかったりで,本当に不本意な毎日の連続だった.そんなこんなを何とかしのいで,今日はやっとのことで丹沢へ出掛けられそうである.
 何時ものように早朝4時10分に自宅を出発する.
 天気予報では.今日は晴れの筈である.それにしては空一面に雲が湧いている.雲が薄いところから明けの明星が弱々しく光っているのが見え隠れしている.
 ”本当に晴れるんだろうな…”
 私は疑心暗鬼になる.それに,天気予報はしきりに,
 「今日も寒いぞ…!」
と私を脅す.
 私は,寒いのを覚悟して外へ出る.確かに寒いことは寒いが,そうビックリするほどの寒さでもない.
 例によって,真っ暗な中,大船から小田原へ.小田急電鉄に乗り換えて,6時11分に渋沢駅に到着する.当然,まだ真っ暗.大倉行きバス停には私が一番乗りである.
 大倉行の臨時バスが出る.バスの後ろの方に沢山の空席があるが,なぜか運転席のすぐ後ろで立っている人が多い.乗り合わせた常連は毎日登山のTGさん,HMさん,KM夫妻,あと名前が一致しない方2名だけ.その他の乗客は殆どが若い人ばかりである.
 6時55分,臨時バスは大倉に到着する.

▇大倉から歩き出す
 7時00分,大倉を出発.
 常連の皆さんも,私と前後して,大倉から歩き出す.
 天気予報では今日は晴れの筈だが,どんよりとしたくもが低く垂れ下がっている.
 綿は3週間ぶりの塔ノ岳である.出だしの足がどうしても重く感じる.
 ”今日は山頂まではしんどいな,途中で下山することにしよう”
と思いながらも,まずは暫くの間登ってみようと思う.
 7時07分,登山口を通過する.
 若い登山者に次から次へと追い抜かれる.それに較べれば,私のノソノソ歩きはじつにみじめったらしいったらありゃしない! 
 7時14分,丹沢ベースを通過する.路面は幾分しめっているが,ある国は支障はない.
 それにしても,相変わらずのどんより雲が気になる.

<丹沢ベース>

▇日の当たる坂道
 やがて日の当たる坂道に差し掛かる.
 晴れていれば,ここで爽やかに射し込む朝日を浴びるはずだが,今日はダメ.天気予報どうした!
 晴れないだけでなく,なんとなく粉雪が散り始めたようである.

<日の当たる坂道>

▇薄ら雪化粧の雑事場ノ平
 7時29分,観音茶屋に到着する.
 路傍に残雪がちらほらと見え始める.
 ”さて,今日の山頂付近の残雪はどんな感じかな…”
 山頂まで行けるかどうか分からないのに,山頂のことが気になる.
 7時43分,雑事場ノ平を通過する.雑事場ノ平から見晴茶屋に向かう杉並木に薄らと雪が残っている.

<雑事場ノ平>

▇冬の光る海
 7時49分,見晴茶屋に到着する.
 見晴茶屋前から相模湾を見下ろす.太陽が上がっている付近が幾分明るく見えているが,頭上に向かってどす黒い雲が低く垂れ下がっている.

<見晴茶屋前からの眺望>

▇見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.
 見上げるとウンザリするほど長い階段である.ここで精を出すと後でバテるので,できるだけユックリ,意識して登り続ける.
 階段を登っている間にも,若い登山者の集団に追い抜かれる.木陰に残雪が見え始める.

<見晴階段>

▇薄ら雪化粧のモミジ坂
 モミジ坂に差し掛かる.凍結した雪が木道に残っている.寒い.
 滑りやすい木道を通過し,長いダラダラ坂を登り続ける.モミジ坂がもう少しで終わるところで,常連の男性に追い抜かれる.
 「…TGさんは足に違和感があるとかで,早々と下山しましたよ…」
とのこと.すると登っているのは,HMさんたち2人だけかと頭の中で計算する.

<モミジ坂の滑りやすい木道>

▇一本松でアイゼン装着
 8時09分,一本松を通過する.大倉を歩き出してから1時間09分経過している.3週間も間を空けての登山ということや,残雪も影響したのか,とにかくやけに時間が掛かっている.先が思いやられる.
 一本松のすぐ先の日陰道に入る.この辺りからいきなり残雪が多くなる.道路に敷き詰められた石が残雪で滑る.どうやらアイゼンなしでは大変なようである.坂の途中で立ち止まってアイゼンを装着している人が居る.
 私も一本町上のベンチに座って,持参している4本漬けの軽合縁を装着する.ついでにリュックの中のごちゃごちゃを整理する.ロスタイム7分.

<一本松から上は雪道に変わる>

▇駒止茶屋
 残雪で滑りやすい駒止階段を慎重に登って,8時31分,ようやく駒止茶屋を通過する.
 大倉を歩き出してから,既に1時間31分も経過している.通常ならば,小草平に到着して,堀山の家の温度計を見ている時間である.
 ”雪だから仕方がないな…”
という都合の良いエクスキューズで納得して,大倉の尾根道に入る.
 すぐ止むと思っていた粉雪が少し本降りになり始める.マイッタナ!

<駒止茶屋>

▇堀山の尾根道は本格的な雪道だ
 堀山の尾根道は完全な雪道になっている.まだそれほど踏み固められていないので,心地よく歩くことができる.私にとって新年初めての本格的な雪道である.
 どうやら新雪のようである.歩く度にギシギシという音が聞こえてくる.
 晴れていれば富士山が良く見える場所を通過する.もちろん今日は雪雲のために近くの山さえ全く見えない.
 ”天気予報の嘘つきめ!”
 富士山が見えないのはとても残念だが仕方がない.

<深い雪に覆われた堀山の尾根道>

▇小草平(堀山の家)
 8時55分,やっと小草平に到着する.
 堀山の家の温度計はマイナス2.5℃を差している.
 昨夜から堀山の家に滞在中のKIさんが,
 「…やあ,しばらくぶりだね…」
と私に話しかける.私は,
 「…今日は雪で往生しましたよ…途中でアイゼン点けたりしていたので随分遅く成っちゃいました…」
と,いきなり愚痴る.
 「どこまで登るか分かりませんが,もう少し登ってきますよ…」
と挨拶して,堀山の家から歩き出す.

<堀山の家>

▇萱場平
 3週間間が空いていると,さすがに登るのがきつい.
 数え切れないほどの若い登山者に追い抜かれながら,ノソノソと登り続ける.
 大した勢いには思えないほどの粉雪だが,肩の辺りに降った粉雪が溶けたのか,両肩が冷たく感じるようになる.
 ”やっぱり,雨具を来た方が良いかな…”
と思いながら登り続けている内に,何時の間にか雪は止んでいる.
 9時21分,やっと萱場平に到着する.
 萱場平の木道はに,呼吸を整え,足の筋肉を休めるために,特にユックリと歩き続ける.
 大倉を歩き出した直後は,今日の目標は萱場平かなと思っていたが,萱場平でもまだ体力に余裕があるようなので,
 ”とりあえずは花立山荘まで登ってみよう…”
と気が変わる.

<萱場平>

▇花立階段を見上げる
 ノソノソと登り続けて花立階段に到着する.
 階段下からの富士山もなかなかな景色だが,今日は富士山はおろかすぐ隣の鍋割山稜も全く見えない.残念なだ致し方ない.
 改めて花立階段を見上げる.
 登山者の後ろ姿が見えているが,階段の上の方は真っ黒な雲の中である.
 ”うぇ~ぇ…,あんな所を登るのか…”
と,一瞬,ひるんだ気分になる.
 ”せっかくここまで来たんだから,我慢して階段を登ろう…”
 つい先頃までは花立階段のことを「後七分坂」とあだ名で呼んでいた.その理由はこの階段を7分で登るのを標準にしていたからである.でも今はとてもではないが7分では登れない.頑張っても10分ほど掛かってしまう.実に情けないが,まあ,仕方がないことだ…登れるだけで良しとしよう.
 …という訳で,階段の途中で何人もの登山者に追い抜かれながら,牛歩で登り続ける.

<厳しい花立階段>

▇暗雲の中の花立山荘
 9時57分,やっと花立山荘にたどり着く.気温はマイナス4.5℃.
 大倉からの所要時間は2時間57分.こんなみっともない数字は見るのも嫌だ.
 ”さて,どうしよう?”
 ここで登山をやめて,花立山荘で温かいうどんでも食べて下山しようかな.
 ちょっと迷ったが,折角だから,せめて花立山山頂まで登ろうと思う.

<暗雲で薄暗い花立山荘>

▇花立山
 雪の吹きだまりのような階段道をやっと抜けてガレ場に入る.
 ここまで登ると,晴れていれば視界が開けるはずだが,今日は下の写真のような状態である.濃い霧の中をひたすら登って,10時07分,漸く花立山山頂に到着する.

<花立山を登る>

▇素晴らしい樹氷
 花立山の山頂を越えると辺りの風景が一変する.
 一面の樹氷である.
 ”これは素晴らしい!”
 これまでの疲れがすっ飛ぶほど素晴らしい風景が広がっている.
 もうこうなればラップタイムだのアイゼンだののへったくれはどうでも良い.私は数え切れないほどの写真を撮りながら,ユックリと歩き続ける.

<花立山山頂付近の樹氷>

▇雪のやせ尾根
 樹氷の絶景を眺めながら先へ進む.
 馬の背に差し掛かる付近は,1人やっと通れるぐらいの踏み跡道を通過する.その先で,短い階段道を降りて金冷シへ向かう.
 残雪は一層深くなる.

<金冷シ手前の雪道>

▇”あともう少し”がシンドイ
 山頂近くの急坂に差し掛かる.深雪で階段は完全に埋まっている.結構な急坂である.4本爪の経アイゼンでは少々頼りないが,我慢して登り続ける.
 そして,山頂直下の最後の木階段に差し掛かる.便りの階段はほぼ完全に雪の中である.この最後の登りが実にきつい.
 ”あともうちょっと,あともうちょっと”
と自分に言い聞かせながら頑張る.

<塔ノ岳山頂直下の木階段>

▇暗雲の塔ノ岳山頂
 10時39分,やっとこさ,塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温はマイナス5.5℃.風は吹いていないが,ジッとして居られないほど寒い.
 大倉からの所要時間は実に3時間39分.多分,私の最低記録である.
 時間も押しているので,尊仏山荘に立ち寄ってユックリ食事をする気にもなれない.
 私は遠くの景色は何も写らないことは承知の上で,周囲の写真をソソクサと撮る.
 本当は,ちょっとだけ丹沢山方面に足を伸ばせば素晴らしい樹氷の写真が撮れるだろうとは思うもののこう寒くて時間が押していたらその気にもなれない.
 私は,身支度を整えて,すぐに下山しようと思う.

<塔ノ岳山頂>

▇予期しない絶景
 10時47分,下山開始.
 下山口で予期しない絶景に遭遇する.
 なんと! 大倉尾根だけが雲の中に浮かぶように見下ろすことができる.樹氷で覆われた大倉尾根がずっと続いている.
 私は,登ってくる登山者に,
 「ちょっと.振り返ってみてください! 絶景ですよ!」
と声を掛ける.
 あえぎながら登ってきた登山者も,この絶景に感激する.
 私も,改めて山頂まで登って良かったなと思う.この風景を頭の中にとどめておき,何時か水彩画にしたいなと思う.
 その後も,ようやく見え始めた絶景を堪能しながら下山し続ける.
 ただ,急な下りは,4本爪経アイゼンではちょっと頼りない感じである.やっぱり6本爪を持ってくれば良かったと反省する.

<山頂からの絶景>

▇花立山から下界を望む
 急な下り坂を何とか無事に下り終えて,11時11分,花立山山頂を通過する.
 ここからもなかなかの絶景を堪能することができる.
 雪山の遙か向こうに秦野の市街地と相模湾が望める.でも頭上は真っ黒な雪雲が覆っている.残念ながら富士山はまだ雲の中である.

<花立山からの絶景>

▇堀山の家の汁粉で癒やされる
 11時21分,花立山荘を通過する.
 雪で追われた花立階段は結構緊張する.その後も,雪道を慎重に下り続けて,11時42分,萱場平に到着する.ここで2分ほどベンチに座って,休憩を取る.アイゼンを装着しての下りは結構シンドイので敢えて休憩を取って足の負担を軽減する.
 その後も慎重に下り続けて,12時04分,漸く小草平に到着する.随分と時間が押しているが,どうせ遅くなった序でに,久々に堀山の家に立ち寄る.
 女主人が愛想良く私を迎え入れる.登りで雑談したKIさんの他に常連と思われる方々が何人香られる.その中に同じバスで乗っていたKM夫妻も居られる.
 私は何か暖かいものが欲しかったので,300円也のお汁粉を所望する.
 私が席に着くと入れ替わるようにKM夫妻が小屋から出発する.
 お汁粉を食べようとすると,女主人が私の写真を撮るという.割り箸を割る暇もなく,お汁粉と割り箸を手に持ってポーズする.
 ”さて,どんな写真になるんだろうか…?”
 薪ストーブを囲みながら,雑談をしている内に,アッという間に時間が過ぎる.
 ”ありゃ~っ…! こりゃいかん! (大倉発)13時40分のバスに間に合わないぞ…!”
 もう,こうなったら成り行きに任せるしかない.

<堀山の家のお汁粉>

▇下界は晴れ
 12時28分,堀山の家を出る.
 もし,雪道でなければ,急ぎに急げば13時40分のバスに間に合うが,そう急いで帰らなければならない用事もない.ならば,最初から14時10分のバスに乗ることに決めて,ユックリ下山しようと思う.
 12時46分,駒止茶屋を通過する.
 残雪の駒止階段を慎重に下る.滑りやすいので,なかなか,はかが行かないのでジリジリする.
 12時57分,一本松に到着する.ここでアイゼンを脱着する.
 ここからはアイゼンなしに,スタスタと歩ける.何時の間にか晴れ渡って,春のような日差しが辛えだの間から射し込んでくる.
 ”もっと早く晴れてくれれば良かったのに…”
 13時31分,観音茶屋に到着する.
 14時10分のバスに乗るつもりなら,ユックリ立ち寄る時間がある.
 ”また,お汁粉でも食べようかな…”
と少々気持ちがふらつくが,私1人で立ち寄っても面白くない.迷いながらも通過する.
 観音茶屋から先は,バスの時間に合わせて,ごくごくノンビリと下って,13時32分に無事大倉バス停に到着する.
 この時間になると,さすがに乗客が多い.
 すぐにバス停にベンチにリュックを置いて場所取りをする.前から10人目ぐらいである.これなら楽勝だ.

▇矢倉岳を眺めながら帰宅
 渋沢駅から快速急行小田原行に乗車する.
 新松田を過ぎてから,矢倉岳が良く見えている.その左手に薄らと富士山が見えている.
 ”オレが登っている間に晴れてくれれば良かったのに…!”

<車窓から矢倉岳を望む>

▇無事帰宅
 小田原から始発電車の特別快速高崎行に乗車する.4人掛けワンボックスを1人で占領する.
 途中で何度も眠くなるが,なんとか寝過ごさずに大船駅で下車する.
 大船駅近くでコーヒーでも賞味してから帰ろうかと思ったが,駅周辺は何だかやけに人手が多くて混雑している.
 …まあ,しょうがないからこのまま帰るか.
 16時過ぎに無事帰宅.
 今日は雪道を歩いたためか疲労困憊.足が軽い筋肉痛になりそうである.

<ラップタイム>

 7:00  大倉歩き出し
 7:29  観音茶屋(7:30まで衣服調整)
 7:49  見晴茶屋(一本松で軽アイゼン装着;ロスタイム7分)
 8:37  駒止茶屋
 8:45  堀山の家
 9:57  花立山荘
10:16  金冷シ
10:35  塔ノ岳着
10:47    〃 発
11:04  金冷シ
11:21  花立山荘
12:04  堀山の家(12:02まで休憩)
12:46  駒止茶屋(一本松で軽アイゼン脱着;ロスタイム7分)
13:15  見晴茶屋
13:31  観音茶屋
13:52  大倉

[山行記録]

■水平歩行距離        7.0km(片道)

■累積登攀下降高度     1,269m

■上り所要時間(休憩時間込み)
  大倉発             7:00
    塔ノ岳着            10:36 
    (所要時間)         3時間36分 (3.60 h)
  水平歩行速度      7.0km/3.60h=1.94 km/h
  登攀速度         1,269/3.60 h=353m/h

■下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳発           10:47  
    大倉着            13:52
   (所要時間)         2時間05分(3.08h)
 水平歩行速度      7.0km/3.08h=2.27 km/h
  下降速度         1,269m/3.08h=402m/h
                                                                                  (おわり)

写真集
 ↓
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/29eb40c4d85582613f05bad2cc99d61c

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6efd86189cee9a12731b7d0f38fd3e19
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

お断り;
 これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
 また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します





 

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