<花立山荘からの富士山>
体が重くて途中でリタイアの新年初丹沢;塔ノ岳(2018年第1回)
(単独山行)
2018年1月6日(土) 晴れ
<ルート地図>
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■出掛ける決心がなかなか…
昨年暮れから今日まで,我が家に親族が出たり入ったりしていたので,その対応に追われ,山の方がついついおろそかになってしまった.こんなぐうたら生活を続けていたら体がおかしくなってしまうことは百も承知だが,こう毎日寒い朝が続くと,親族の嵐が過ぎているのに,早朝に出掛けるのが,ついつい億劫になってしまう.
正月三ヶ日が過ぎる頃,明日にでも塔ノ岳に登らなければと気持ち的には焦り始めるが,尻が重くてなかなかる出掛ける気にになれないままの日が続く.
こんなぐうたらを正当化するために,ついつい碌でもない言い訳を考えて,
”まあ,山へ行かなくてもイイカ!”
と自分を暗示に掛ける.それが屁理屈でも,何とか自分自身を納得させる.
そうこうしているうちに,今日は新年初の土曜日である.
”いくら何でも,今日の土曜日,塔ノ岳へ行かなければ男が廃るぞ!”
私は,前日,金曜日の夜から
”明日は塔ノ岳に登るぞ! 登るぞ!”
と何回となく自分に言い聞かせる.
念のため,昨夜は登山用の衣服に着替えてから就寝した.目覚めたときに身支度さえ調っていれば,その場になって,決心がぐらつくことはないだろう.軟弱な精神の私は,こんな”おまじない”をしておかないと,重い腰がなかなか立たないのである.
■大倉から歩き出す
今朝,予定通り3時に起床する.寝室の暖房はしていないが,登山用にバッチリ着込んでいるので,決して寒くはない.
”よぉ~シッ!! 出掛けるぞ!”
私は気合いを入れて.4時10分,自宅を出発する.外は真っ暗.天気予報は「今朝は冷え込む」と言っていたが,予報通りに,外気は冷たい.冷たい空気に体をさらした途端に,血圧が急上昇するのではないかと心配になる.
大船5時10分発東海道本線下り初電に乗車する.今日から3連休である.そのためか,列車は何時もの土曜日よりも混雑しているようである..
JR小田原駅で下車する.小田急線の電車に乗り換えるために,ホームの階段を登る.階段を登る大勢の乗客にペースを合わせて階段を登っている内に,だんだんと息切れがしてくる.
”今日は,随分と体が重い感じだな…駄目ダ! これは…”
今日のこんな体調では,塔ノ岳山頂まで登るのはちょっと無理かな…私は階段を登りながら,今日の体調は最低だなと判断する.
6時11分,電車は渋沢駅に到着する.外はまだ真っ暗.
大倉行バス停に並ぶ.前から5~6番目である.
”寒~い!”
海辺に位置する鎌倉に比較すると,渋沢は冬やけに寒くて,夏やけに厚いところだなと言うことである.
程なく下り電車が到着したらしく,バス待ちの列が急に長くなる.YSさん,IIJさん,HMさん,MTさん,KIさん他多数の常連さんも並んでいる.
定期バス発車時間の直前に臨時バスが出る.6時55分,大倉着.
そそくさと,準備をして,6時59分,バス停大倉から歩き出す.
丁度そのとき,少し前に日ノ出を向かえた太陽がまぶしく光り始める.今日も上天気のようである.
<大倉バス停の日ノ出>
■とにかくユックリに徹しよう…
6時59分,バス停大倉から歩き出す.
体調が良くないことを自覚している私は,.
”ゆっくり歩くことに徹するぞ…”
と慎重である.
まずは,やや急な上り坂の舗装道路を歩く.進行方向右手にある池に薄氷が張っている.
”今朝はやっぱり寒いな…”
歩き出した途端に,沢山の登山者に,つぎつぎと追い抜かれる.内心で”こりゃ駄目ダ”と思いながらも,まあ,無理をせずに登れるところまで登ろうと腹をくくる.
7時07分,登山口を通過する.登山道を囲む杉林が朝日を浴びて光っている.
<朝日を浴びる杉林>
■日の当たる坂道
7時19分,丹沢ベースを通過する.
今朝方ほんの少々お湿りがあったと聞いているが,登山道はカラカラニ乾いている.沢山の登山者が私を追い越していく.少し前までは,追い越されると無性に口惜しい気分になったが,この頃はそんな気分も何時の間にか失せた.達観したのか,あるいは元気が無くなったのか,どうして失せたのかは自分でも分からない.
ほどなく日の当たる坂道に差し掛かる.ここは明るい太陽が真横から照りつけるところである.実に気分の良い場所である.
先ほど私を追い越して行った常連のYSさん,HMさんの後ろ姿はもうとっくに見えなくなっている.
<日の当たる坂道>
■観音茶屋
7時29分,観音茶屋を通過する.
まだ朝が早いので観音茶屋は開店していない.今日は時間が合ったら帰りに観音茶屋に立ち寄ってみようかなと思いながら通過する.
観音茶屋を過ぎるとジグザグの山道が連続する.何時もならば,この当たりまで登れば体も山道になれて楽に歩けるようになるはずだが,今日は相変わらず体が重いままである.気勢が上がらないままのペースで登り続ける.
7時36分,高原の家分岐を通過する.そして,あともう少しで雑事場ノ平というところで,後から来たNMさんが私を追い越していく.
<観音茶屋>
■見晴茶屋からの光る海
7時50分,見晴茶屋に到着する.
見晴茶屋からは,相模湾が見下ろせる.東の空の雲間に隠れた太陽が鈍く光っている.その太陽の光が相模湾で反射して光り輝いている.正に冬の風物詩である.
見晴茶屋の前で光る海の写真を何枚か撮る.
<見晴茶屋から相模湾を望む>
■見晴階段
見晴階段に差し掛かる.何時ものように,階段下から階段を見上げた写真を撮る.
周囲の木々はすっかり落葉していて,階段全体が随分と明るくなった感じがする.数名の登山者の後ろ姿が並んで要り.
”この階段を力んで登ったらダメ! そんなことしたら,後で敵を取られるぞ…”
私は自制しながら階段を登り続ける.もう時間などいくら掛かってもいいや…とにかくバテないように登ろうと心に決める.
<見晴階段>
■駒止茶屋
見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.相変わらず気勢が上がらない.
8時11分,ようやく一本松を通過する.大倉からの所要時間は1時間12分.何時もならば1時間程度で登れるところを12分も余計に時間が掛かっている.
”まあ,仕方がないな…”
と達観(落胆?)して一本松を通過する.
やがて駒止階段に差し掛かる.ここも急坂が続く.やっと急階段を登り来て,9時30分に漸く駒止茶屋に到着する.大倉からの所要時間は1時間31分.体調が普通ならば,大倉から小草平(堀山の家)までの所要時間が丁度1時間30分である.すると今日は私の平均時間より15~20分程度遅れていることになる.
<駒止茶屋>
■堀山かあの富士山
やっと堀山の尾根道に差し掛かる.
堀山の標識の手前,富士山が見える場所に到着する.今日は快晴.富士山が良く見えている.ただ手前の木が大きくなってきたので,木の枝がだんだんと目障りになっている.
それにしても,今年の富士山は随分と雪が少ない.
8時42分,堀山の標識を通過する.
<堀山からの富士山>
■小草平(堀山の家)
堀山の標識からの下り坂と登り返しの坂道を登って,8時51分,ようやく小草平に到着する.堀山に家の温度計はプラス0.5℃.やっぱり寒い.
大倉からの所要時間は1時間52分.何時もより20分ほど余計に時間が掛かっている.
”今日は,堀山の家までにして,下山しようかな…”
と一瞬思うが,小草平から富士山の写真を撮っている間に気が変わる.
”とりあえずは萱場平まで登ろう!”
<堀山の家>
■小草平からの富士山
大きな杉の木の間から,富士山が良く見えている.
富士山の山頂付近には全く残雪がないらしく,雪が斑模様になっている.
<小草平からの富士山>
■萱場平
富士山の写真を撮っただけで小草平を通過する.ここからが本格的な上り坂が連続する.いくらユックリ登ってもしんどいことには変わりがない.随分と沢山の若者に追い越されながらも,登り続ける.正に牛歩である.
9時18分,ようやく萱場平に到着する.
先ほどから何となくシャリバテ気味な感じがしていたので,萱場平のベンチに座って,軽く食事を摂る.私が座っているベンチに前後して男性1人,女性1人が座る.3人で一言二言雑談.
ベンチで休憩している間に,次のバスで来られた常連のTTさんが現れる.お互いに新年の挨拶を交わす.
<萱場平>
■花立階段下からの富士山
軽い食事を終えて9時29分に萱場平から歩き出す.ロスタイム11分.
萱場平からの登り坂もごくごくユックリと登る.今日は気温が低いせいもあって,ここまで全く汗をかかずに登っている.
”汗をかかずに登っているのは,ちゃんとマイペースを守っている証拠だな”
と自己評価しながら登り続ける.
やがて花立階段に差し掛かる.
階段下から相変わらず富士山が良く見えている.もちろん,ここでも富士山の写真を何枚か撮る.
<花立階段下からの富士山>
■花立山荘
花立階段を登る.
とにかく長い階段である.いくら登ってもまだ階段が続く感じである.元気な頃は,この階段を7分で登っていたので「後七分坂」というあだ名を付けていたが,今は”7分で登るなんて,とんでもない”.
10分ほど掛けて,やっと花立階段を登り終えて,10時00分,やっと花立山荘に到着する.大倉からの所要時間は3時間01分.
”つい先日,853Hを達成したばかりなのに…”
ガックリ!
花立山荘からも富士山が良く見えている.とりあえずは富士山の写真を撮る(冒頭の写真).
<花立山荘>
■光る海
先ほど萱場平でオニギリを1個食べたばかりなのに,まだシャリバテ感が残っている.私は,空いているベンチに座り込んで,二度目の昼食を摂る.
花立山荘前から相模湾を見下ろす.
相変わらず海が光っている.眼下に秦野の市街地が広がっている.
<花立山荘前から相模湾を望む>
■花立山荘から下山
昼食を終えて,10時06分,花立山荘から歩き出す.花立山荘でのロスタイムは6分.
花立山を目指して,階段道を登り始める.
丁度そのとき,下山してくるNGさんとYDさんとバッタリ.
「…ちょっと上をYSさんとONさんが登っていますよ…」
とのこと.
私はこのまま登り続けるか,それともここで登る尾をやめて下るか,一瞬戸惑う…が,体調が本調子ではないので,思い切って,お二人と一緒に下山することにする.
再び花立山荘まで下って,10時11分,花立山荘から下山開始.
花立階段の途中で,登ってくるHN三とすれ違う.HNさんも花立山荘で下山するとのこと.
その後,3人はついたり離れたりしながら下山し続ける.
10時36分,堀山の家を通過する.一瞬,立ち寄ろうかとも思ったが…
途中で,萱場平まで登ってIIJさんに追いつく.
11時07分,駒止茶屋を通過する.もうばらばら.私はNG三と一緒に下山を続ける.
■観音茶屋のお汁粉
11時47分,観音茶屋に到着する.
MGさんは観音茶屋には立ち寄らずに下山し続けるとのことなので,ここでお別れ.私は久々に観音茶屋に立ち寄ることにする.
茶屋には私より一足先に到着したYDさんと,IMIさんが居られる.
私は300円也のお汁粉を所望する.
IMIさんとは久々の再会なので話が盛り上がる.
YDさんは私と入れ替わるようにして下山開始.
<観音茶屋のお汁粉>
■渋沢で新年初のコーヒーブレーク
12時03分,IMIさんと一緒に,観音茶屋から下山開始.道すがら積もる話をしながらユックリと歩き続けて,12時28分にバス停大倉に到着する.
IMIさんは,リハビリ中である.
「…平らなところをいくら歩いても,山道には通用しませんね…」
という趣旨のことを吐露する.
私も全く同感!
今回の塔ノ岳は,残念ながら途中でリタイアした.約2週間の間を空けての今回の登山は正直なところきつかった.これでも,毎日,7000歩前後は早足で平地を歩いていたんだが…山道には通用しなかった.
バス停大倉でIMIさんとお別れする.
渋沢発12時40分のバスには充分に間に合ったが,次の13時11分のバスまで待って,新年初のコーヒーブレークに参加予定の皆さんと一緒に渋沢駅へ向かう.
渋沢駅ビル1階のミスタードーナッツで270円也のコーヒーを賞味する.3回お代わりをして1杯90円にする.我ながらみみっちいな.
<ミスタードーナッツでコーヒーブレーク>
■暖かい日差しを浴びながら帰宅
14時25分頃,コーヒーブレークはお開きになる.
私は大多数の方々とは反対方向の小田原行の電車に乗車する.小田原で東海道本線のビリ電車に乗り換える.
相変わらずの快晴である.車窓から多々高い日差しが射し込んでくる.実に良い気分である.ついついうたた寝を始めてしまう.
大船駅で下車する.居眠りをしていたが何とか乗り越さずに下車できた.
次回からは,余り間を空けずに塔ノ岳詣でを続けようと心に誓った第1回丹沢詣でであった.
<ラップタイム>
6:57 大倉歩き出し
7:19 観音茶屋
7:50 見晴茶屋
8:30 駒止茶屋
8:51 堀山の家
9:18 萱場平(9:29まで休憩)
10:00 花立山荘着
10:11 〃 発
11:36 堀山の家
11:07 駒止茶屋
11:33 見晴茶屋
11:47 観音茶屋(12:03まで休憩)
12:28 大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 5.4km(片道)
■累積登攀下降高度 1,059m
■上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 6:59
花立山荘着 10:00
(所要時間) 3時間01 (3.02 h)
水平歩行速度 5.4km/3.02h=1.79 km/h
登攀速度 1,059m/3.02 h=351m/h
■下り所要時間(休憩時間込み)
花立山荘発 10:11
大倉着 12:28
(所要時間) 2時間17 分(2.28h)
水平歩行速度 5.4km/2.28h=2.37 km/h
下降速度 1,059m/2.28h=464m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」(塔ノ岳)の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3595c423564cc315ce74a6ddfbeb2289
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
お断り;
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体が重くて途中でリタイアの新年初丹沢;塔ノ岳(2018年第1回)
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