<最初の山頂からの眺望>
ノルウェー紀行;第4日目(トレッキング第2日目)(1);尖鋒の山頂を目指して
(アルパインツアー)
2013年8月19日(月)〜8月30日(金)
第4日目;2013年8月21日(火) トレッキング第2日目 晴
<ルート地図>
■全体図(メムルブー→イェンデブー)
■拡大図(1)
※これらの地図は,筆者が現地で購入した地図に,ルートや里程を独断で記入したもので,
アルパインツアー社から提供された地図ではありません.
正確性は全く保証しかねますのでお含み置き下さい.
<プロフィールマップ>
<メムルブーの朝>
■今日登る山が見えている
昨日,日光を浴びながら終日トレッキングをしたので,私を悩ませていた時差は何とかクリアしたようである.
昨夜は夜中に一度トイレに行っただけで,朝までグッスリと眠ることができた.
7時37分,朝食に向かう前に,同室のKSさんと一緒に外へ出てみる.
西の方を見ると,今日,これから登る岩山が天高く聳えているのが見える.地図で確かめると,写真の左上に見えているナイフエッジを直登するようである.
“エッ…エエェ! あそこ,登るの?”
私たちは,ピラミッド状に峨々と聳える岩山を見て,本当に,あんな所,登れるのかなと心配になる.
“でも,まあ,なるようになるさ…”
で開き直るしかない.
今日のコースは,最初にピラミッド状のピークに登った後,写真に見えている凸凹とした稜線をそのまま辿って,この稜線の裏側の彼方にあるイェンデブーまで向かう.
内心では,ツアー会社が企画した山行なので,そんなに凄いところはないだろうと思っている.
余談になるが…写真に写っている建物が,メムルブー小屋の本館である.ここには,食堂,売店などがある.
山の写真を撮った後,一旦部屋に戻る.そして,メルムブーからイェンデブーまで船便で運んでもらう荷物を纏め,さらに昨夜支給されたシーツ類を持って,食堂のある本館に向かう.
<山小屋前から今日登る山が見えている>
■朝食と昼食の準備
朝食には少々早いが,7時40分,食堂に向かう.
例によってバイキング方式である.ここでは,朝の食材を利用して,各自が自分の昼食を用意する仕組みになっている.
私はトレッキング第1日目の経験から,パンはなかなか喉を通らないので,今日はパンの量を少なくして,野菜類を少し多く挟み込んだサンドイッチを作ることにした.それを大きなお皿に朝食と一緒に載せて,自分のテーブルに戻る.その結果がこの写真である.つまり,ここに写っている食材が,私の朝食と昼食になる.
サンドイッチを作るとなると,パンにバターやジャムを塗り込んだり,間に挟む食材を取り分けたりで,結構時間が掛かるし,食材の周りが随分と混雑する.どうも慌ただしくて,セカセカしていて,私の性分には合わないが,これも致し方ない.
私はこの写真に写っているサンドイッチの下半分をランチ用に選ぶ.その他に林檎,オレンジ,ゆで卵1個を昼食用として確保し,これらを備え付けの包装用紙に来るんだ上で,ビニール袋に納める.
この一連の作業を終えてから,いよいよ朝食である.まずはオートミール.これは食べ慣れた味である.その他の食材も新鮮で大変美味しい.
<私の朝食+昼食>
■本館前に集合
朝食後,一旦部屋に戻る.改めて忘れ物がないかをチェックして,リュックを背負って本館前に向かう.
8時30分頃,全員が揃う.
全員の支線が,当グループの若手の女性の足許に集中している.実は,トレッキング第1日目の途中で,彼女の靴の底が剥がれそうになった.当日は剥がれそうな底を紐で固定する応急処置で済ませたが,昨夜の内に若手ツアーリーダーのKYさんが,実に可愛く修理してくれたようである.余りに可愛いく修理してあるので,皆の視線を集めたという次第である.
何人かの方々が,代わり番こに修理済みの靴を写真に納める.
<修理済みの靴の写真を撮る>
■ツアーリーダーの傑作
私もご相伴にあずかる.禿げそうな部分に白い布テープが貼ってある.布テープにはポンチ絵と2人のツアーリーダーの署名がしてある.
これはツアーリーダーの傑作だ.お二人の人柄がにじみ出ていて面白い.
<ツアーリーダーの傑作>
<船着場を往復>
■船着場へ
各自,船便でイェンデブーへ送る荷物を持って,船着き場へ向かう.
船着き場は山小屋より少し低い位置にあるので,ちょっとした散歩気分である.碓氷ピンク色の花と湖水が見渡せる長閑な散策路である.
<長閑な散策路を下る>
■荷物を纏める
8時44分,船着き場に到着する.船着場には人だかりができている.
ツアーリーダーが各自の荷物を,大きな袋に纏めている.ツアーリーダーは大忙しである.ツアーリーダーの仕事は本当に大変だなと実感する
<船着場に到着> <荷物を纏める>
■船着場が賑やかになる
船から沢山の乗客が降りてくる.途端に船着き場の周辺が賑やかになる.
写真で船の反対側に写っているのはトイレ.昨日,人気のないときに,荷物を取りに来たときは,トイレの鍵が閉まっていたが,今は使えるようである.どうやら,船が到着するときだけ,使えるトイレのようである.
<船着場が賑やかになる>
■青空が広がる
荷物を預けてから,山小屋に向けて往路を引き替えず.
雲一つない抜けるような青空が広がっている.今日も行楽日和のようである.
<抜けるような青空が広がる>
<いよいよ出発だ>
■今日はどんなコース?
8時45分頃,本館前の広場に集合する.
ツアーリーダーから今日のコースのあらましと注意事項が伝えられた後,下半身を中心としたストレッチを行う.
8時58分,いよいよ歩き出しである.例によって,現地ガイドのすぐ後ろに女性群の1集団が続く.もっとも一部の女性から,
“何時も同じ人ばかり先頭にいるのはおかしい…先頭は交代すべきです”
という不満も出始めている.
前方を見上げると,これから登る山(Sjugurdtinden;何て発音するのか分からない)が聳えている.私は地図と見較べながら,多分,こんなルートだろうなと,予想コースをイメージする.
それにしても,鋭く尖った山である.一応,このブログでは,この山を尖鋒と呼ぶことにしよう.
でも,忽ちの内に,
“何でこの程度の山が尖鋒なんだ! 尖鋒とはモンブラン山群に林立する針のような山のことを言うんだよ…”
とクレームが来そうである.
でも,でも,である.怖いところが大嫌いな私には,今見あげている山も心情的には十分尖鋒なのだ.だから,私の勝手でこの山を,これから尖鋒と呼ぶことにしよう.
<こんなコースを辿るのかな>
■ムル川の木橋を渡る
9時07分,ムル川に架かる木橋に到着する.ここでムル川沿いのコースと分岐して,私たちは木橋を渡って川の右岸に出る.もともと,計画に示されていたコースはムル川の左岸沿いの道を遡るコースだったが,現地ガイドの判断で,私たちは計画にはなかった別コースを歩き始める.
<木橋を渡る>
■ムル川の美しい流れ
木橋の上からムル川の写真を撮る.
グレイシャーブルーの美しい川が,滝のように激しく流下している.私はこの川の流れから,以前訪れた北アルプスの「下の廊下」を連想する.
<ムル川の美しい流れ>
<最初のピークを目指して>
■岩稜の急坂
9時14分,早くも衣服調整のために.最初の休憩を取る.ただし,たった3分の休憩時間だけで,直ぐに歩き始める.
ほんの5〜6分歩いたところから,岩稜の急坂が始まる.トレッキングと言いながらも,本格的な岩稜登山になる.クサリ場こそないが,北アルプスの難所を歩いている感じである.
<岩稜の急坂が始まる>
■メムルブーとイェンデ湖を見下ろす
急峻なガレ場の坂道を登り続ける.麓から目の前に迫るキピークを見上げたときには,あんな所登れるかなと危ぶんだが,登り始めてみると,三点確保を余儀なくされる難所も殆どなく,案外楽に登れることが分かる.
9時41分,見晴の良い場所に出る.
振り返ると,眼下に先ほど歩き出したメムルブーの建物群が見下ろせる.その右側にイェンデ湖が広がっている.
メムルブーの向こうには,トレッキング第1日目,つまり昨日踏破したベッセゲン尾根が連なっているのが見える.
「ふぇ〜…,昨日はあんな凄いところを歩いたんだ…」
と誰かが言っている.
私も確かに凄いところだなと思う.小屋群の直ぐ左側の崖を,何カ所ものクサリ場を辿って湖面まで降りたんだと思うと,背筋が寒くなる.
<メムルブーの建物とイェンデ湖を見下ろす>
■もうすぐ最初のピークだ
9時52分,前方にピラミッドの様に見えていた山のピークが間近に見える所を登っている.
これから左手に伸びる尾根沿いの道を登って,もう一度右手に曲がれば,山頂に到着できると予感する.
相変わらず天気は上々.雲一つない青空が輝いている.どうやら紫外線も強そうである.
<前方に最初のピークがハッキリ見える>
■尖鋒のピークに到着
10時丁度,遂に尖鋒のピークに到着する.ここで10分ほど休憩を取る.
尖鋒から北を望むと大きな雪渓が残る山脈が見えている.地図でこの山を確かめると.どうやら“Sjuguratindjeonne”という名前の山らしいが,どう発音したら良いのか分からない.
この山の眺めが良いので,交替でこの山をバックに自分の写真を撮る.
<尖鋒から雪渓が残る山を望む>
■四方の風景を眺めながら休憩
山頂は丁度私たちがユッタリと座れるほどの広さがある.私たちは360度に広がる風景を眺めながら,思い思いに休憩を取る.
登ってきた方向を眺めると,昨日通過したベッセン尾根が,ずっと向こうまでゴツゴツと続いているのが見える.
メルムブーから登り始めて,ここまでの水平距離は,やっと1キロメートルである.本日のコースの全歩程は約10キロメートルである.まだ10分の1しか歩いていない.まだまだ先は長い.
<尖鋒の頂上で休憩>
(つづく)
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「ノルウェー紀行」の索引
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