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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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グランドキャニオン谷底往復;第4日目(3);トレッキング2日目(3);リボン滝まで往復

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    グランドキャニオン谷底往復;第4日目(3);トレッキング2日目(3);
                 リボン滝まで往復
                 (アルパインツアー)
     2017年2月28日(火)~3月7日(火)
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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0b5e8517ba5620fb89722756deb37f8a

第4日目;2017年3月3日(金)   (つづき)

<ルート地図>

■ブライトエンジェル川


■リボン滝周辺見取図


<リボン滝を目指して>

■直帰組とリボン滝見物組に分かれる
 12時42分,昼食を終える.
 ツアーリーダーのHDさんが,
 「…明日,長い坂道を登らなければならないので,無理をせずに,この辺りで引き返しましょう…」
と提案する.
 現地ガイドのADMさんは,もう少し先にリボン滝という素晴らしい所があるので,ここで引き返すのはいかにも残念という表情である.
 「では,ここから引き返すグループとリボン滝まで登るグループに分けましょう…」
ということになる.
 私は,少々迷ったが,折角,ここまで北のだから…という理由でリボン滝まで行ってみることにする.
 結局,ここから引き替えず人は4人,リボン滝まで行く人は私を含めて2人である.奇しくも1番ヤングの男性と1番オールドの男性の2人がリボン滝組になる.
 リボン滝組は,ADMさんを先頭に,12時42分に歩き出す.
 すぐに周囲の雰囲気が,広々とした渓谷に変わる.つい先ほどまでの垂直な岩壁に囲まれた谷底とは違って,ヒバリでも鳴き出しそうな長閑な雰囲気である.とてもとても谷底だとは思えないほどである.

<今までの屹立した岩戸は一変して長閑な雰囲気になる>

■リボン滝の道標
 12時55分,「橋を経由してリボン滝へ」と英語で書いた案内板の前を通過する.足許にはサボテンが群生している.
 リボン滝往復組は,男ばかり3人.これまでとは違って結構足早に歩き続ける.

<リボン滝の道標>

■岩場から流下する滝
 13時01分,ADMさんが,
 「そこに滝があるよ…」
と私達に教えてくれる.
 この滝は私達が目指すリボン滝ではないが,屹立する岩稜の間から水が勢いよく流下している.
 これまで,比較的灘等七所を歩いてきたが,何時の間にか高巻きしている道を歩いている.
 日本の山を歩いていると,滝はそれほど珍しい存在ではないが,ここは砂漠地帯.この辺りに住んでいる方々の滝に対する印象は日本人とはかなり違うように見受けられる.
 「乾燥しているところに住んでいると,滝は珍しくて貴重なんですよ…」
とADMさんが説明する.
 この名もない滝をバックにして写真を撮り合う.

<滝を眺める>

<一山越える>

■徒渉できずに…
 13時05分頃,分岐の左側の道に入る.やや急な坂道を下って,ブライトエンジェル川の左岸に突き当たる.川岸を上流に向かって少し遡ったところに徒渉場がある.ADMさんの話によると,ここに小さな木橋があったが,どうやら増水で流されてしまったようである.
 川幅はせいぜい5~6メートルしかない.対岸に向かって置き石があるが,かなりの水量で置き石上10センチ余りの深さで水が流れている.石伝いに徒渉できないこともなさそうだが,膝下は完全に濡れてしまう.
 無理をしたくない私は,
 「安全第一で,徒渉は止めましょう…」
と提案する.
 ”それでは…”
ということで,先ほどの道までショートカットして這い上がることにする.もちろん道などないのでサボテンが沢山繁茂している崖道を這い上がる.
 どんなにサボテンに通医をしても,どうしても何回かはサボテンに突き当たる.サボテンの小さな刺が何本か脛に刺さる.刺が刺さったところは小さな赤い斑点になってしまい,この斑点が消えるのに,帰国後数日間も掛かってしまう.
 
<サボテンを避けながら崖道を這い上がる>

■青空が広がる長閑な峠道
 崖道を這い上がって登山道に到着する.暫くの間,登り坂が連続する.
 行く手,前方には青空が広がっている.まるで長閑な高原を歩いているような感じである.ましてやここがグラントキャニョンの谷底だとは到底思えない風景である.
 ADM三を含めてたった3人のパーティなので,結構な速度で坂道を登り続ける.

<谷底とは思えない長閑な坂道>

■眼下に橋が見える
 13時12分,峠に到着する.
 進行方向左手の眼下に橋が見えている.これからあそこまで降りて橋を渡る予定である.先ほどの徒渉場で徒渉できなかったばっかりに,こんな高い所まで登らなければならなかった.
 ”随分余計な労力を掛けたな.バカみたい…”
 私は,声には出さないが,胸の内で愚痴を言う.

<眼下に橋が見える>

■滝の標識
 峠から大回りをしながらブライトエンジェル川の河畔を目指して下り坂を歩く.
 13時14分,「ブライトエンジェル滝・コットン云々」と英語で書いてある案内標識の前を通過する.
 ここの分岐を左に鋭角に曲がって,先ほど見えていた橋の法へ向かう.

<ブライトエンジェル滝の標識>

■橋を渡る
 13時16分,橋を渡って,川の右岸へ.
 いよいよブライトエンジェル滝も間近である.ここから先は,ちょっとした岩場を乗り越えたり,水が流れている場所を石伝いに歩いたりで,結構荒れた所が続く.

<橋を渡る>

<ブライトエンジェル滝に到着>

■岩稜を乗り越えて…
 ブライトエンジェル滝の直ぐ近くの岩場を這い上がる.進行方向右手からザーザーと流れる滝の音が聞こえてくる.
 余りに滝に近いところを登っているので,肝心の滝は一向に見えない.

<水の音を聞きながら岩を登る>

■滝の上に到着
 13時31分,平らな所に到着する.
 ADMさんが,
 「リボン滝の上に到着しましたよ…お目出度う」
と私達2人と握手する.
 まだリボン滝の全景は見ていないが,二段滝になっているようである.今,私達が到着したのは上の滝の裏側である.
 目の前を滝の水が激しい音を立てて流下している.私達は滝のカーテンを通して遠くの景色を見下ろしている.

<上の滝の裏に到着>

■滝の裏で万歳
 「折角だから,記念写真を撮りましょう…」
ということで撮ったのが不肖私めの写真である.私の裏に写っている風景は滝の水を通してっみえている.
 「本当は,皆でここまで登ってきて,ここで昼食を食べたかったんです…」
とADMさんが残念そうである.
 ADMさんとしては,遠来の私達日本人に,この滝を是非見て欲しかったに違いない.ここまで北野は6人中たった2人だけだが,それでも2人だけでも,とにかく滝まで来たので良かったなとつくづく思う.
 私達は滝の音を聞きながら,暫くの間,休憩を取る.

<滝の裏で万歳>

■苔が美しい下の滝
 13時45分,滝裏での休憩を終える.
 急な崖下りをして,取りあえずは下の滝の滝壺に到着する.そして滝壺から滝の上を見上げた写真を撮る(冒頭の写真).私のカメラでは滝全体の写真を撮るのは少々困難である.
 滝壺の前で,ADMさんと並んでいるところを写真に撮って貰う.
 滝壺の水に手を突っ込んでみる.水野温度がどの程度あるのか分からないが,とにかく随分と冷たい.
 下の滝の苔がとにかく美しい.苔の間をス,ス,ス…と流下していく水が.まるで尻尾のように長くなったり短くなったりを繰り替えず.
 私はダイナミックな滝を見上げながら,
 ”やっぱり,リボン滝を見に来て良かった…!”
とつくづく思う.
 「…素晴らしい滝ですね.やっぱり見に来て良かったです…!」
とADMさんにお礼を言う.
 ADMさんも,たった2人とはいえ,リボン滝まで辿り着いたので,案内のし甲斐があったようである.

<下の滝の前でADMさんと記念写真を撮る>

■美しい滝壺
 滝全体の写真を撮りたいが,かなりの短焦点レンズを具備したカメラでないと,それは無理.仕方がないので,滝壺だけをズームアップした写真を撮る.
 向かって左側は.滝の水が垂直に近い断崖を一気に流下している.そして右側は苔の間を縫うように流下した水が,リボンを並べたように滝壺にザワザワと降り注いでいる.
 ”これがリボン滝という名前の由来かな?”
と私は勝手に想像する.もちろん,真偽の程は全く分からない.あとでADMさんに滝の名前の由来を気候と思っていたが,何時の間にか忘れた.
 私達は滝壺の前で雑談をしながら,暫く休憩を取る.

<美しい滝壺>

■脇の滝もなかなか優雅だ
 リボン滝に向かって左側にも,支流の滝が流下している.こちらの滝の姿,形もなかなかなものである.絵を画くならば,むしろこちらの支流の滝の方だなと私は勝手に評価する.
 真面目な話,この滝の絵を画いてみたいなと思っている.

<優雅な脇の滝>

<往路を辿って峠へ>

■峠で一休み
 名残惜しいが,13時58分,リボン滝の見物を終えて帰途につく.勿論,安全第一で,徒渉をせずに,また峠越えをする予定である.
 往路をそのまま辿って,14時14分,先ほどの橋を渡る.橋から先は,峠までやや急な登り坂が続く.
 坂道を登っている途中で,同行のKMさんが,帽子をリボン滝に置き忘れたのに気が付く.
 ADMさんが,
 「…私が撮ってきます.そのまま登って峠で待ってて下さい…」
と言い残して,脱兎のように猛スピードで,今登ってきた坂道を駆け下りていく.あまりの猛スピードに,私は呆気にとられる.ポカンと口を開けたまま,ADMさんの後ろ姿を見送る.
 私達はそのまま坂道を登って,14時18分に峠に到着する.

<物凄い勢いで駆け下りていくADMさん>

■サボテン道と合流
 私達が峠に到着して間もなく,ADMさんも峠に到着する.
 14時23分,峠を出発する.ここから先はずっと下り坂である.
 14時30分,先ほどサボテンを避けながら崖を這い上がった場所を通過する.ここから先は,往路と全く同じ道をひたすら下り続ける.
 行く手には,ここが谷底とは思えない広々とした風景が広がっている.

<サボテンを避けながら登った付近の風景>

<往路をひたすら歩く>

■昼食を撮った場所を通過
 15時頃,全員で昼食を撮った場所を通過する.そして,15時05分,”く”の字型の橋を渡る.
 この橋を渡ると,周囲の風景が一変する.これまでの広々とした長閑な風景から,峨々とした絶壁に囲まれた谷道に急変する.

<”く”の字型の橋を渡る>

■まるで”下ノ廊下”のようだ
 ほぼ垂直に切り立った岩壁にヘッって作った北アルプスの下ノ廊下のような多寡巻き道が続く.ただ,道路がしっかりしているので,下ノ廊下のような緊張感に煽られることはない.
 川が左右に曲がりくねると,道路も曲がりくねる.ときどき橋を渡って,右岸左岸を交互に下り続ける.
 歩いても歩いても,まだまだ先が長いような気がする.たった3人だけの歩きなので,歩行速度は,全員で歩くときより2~3割ほど速いが,それだけサッサと歩けるので気分上々である.
 でも,それにしても長い歩きである.

<下ノ廊下のような所を下る>

■見覚えのある案内板
 16時33分,見覚えのある案内板の前を通過する.リボン滝まで5.7マイルの案内板だ.
 …ということは,往復したので,5.7マイル×2=11.4マイル(=18.2キロメートル)歩いたことになる.
 ”ここまで来れば,テントまであと少しだ…!”
 ADMさんが,
 「今日の歩行距離は,明日,谷底からリムまで登る距離より長いですよ」
という.

<見覚えのある看板>

<ブライトエンジェルキャンプグラウンドに戻る>

■水飲み場
 16時41分,ブライトエンジェルキャンプグラウンドの水飲み場に到着する.
 ここでお開き.
 ここまで同行していたKMさんは,レストラン付近をブラブラしてからテント場に戻るとのこと.ただ,レストランは16時から20時までは,宿泊客の夕食のため,私達のようなテント暮らしの人間は利用できない.
 私も,どうせ時間があるので,キャンプグラウンドの中を適当に歩きながら,テント場に戻ることにする.

<水飲み場>

■無事テント場に戻る
 水飲み場で一休みしてから,16時44分,1人でブラブラ歩きを始める.
 …と,言っても,特段に見物したいところもないので,あちこちのテントを覗き見しながらユックリとお散歩である.
 歩きながら,
 ”やっぱりリボン滝まで行って良かったな…途中で引き返したらあの感激を味わえなかったな…”
とつくづく思う.もし,リボン滝へ行かなかったら,今日は臍のない一日になってしまっただろう.
 16時52分,テント村に戻る.
 先に帰った4人の方々は,テント場の机に座って雑談をしている.
 私より先に戻ったADMさんは,もう夕食の準備を始めている.
 ”今日の夕食は何かな?”
 私は興味津々である.

                                   (つづく)
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(執筆中)

「グランドキャニョン谷底往復」の目次
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/5af65f36dc434f32b7f18600720f25c7
「グランドキャニョン谷底往復」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c18667bacc5d6d7634fb6ebe265177b2

お断り;
 これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
 また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します.


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