<塔ノ岳山頂からの眺望>
時差ボケでしんどい丹沢;塔ノ岳(今年7回目)
(単独山行)
2017年3月11日(土) 曇・粉雪舞う
■時差ボケの朝
毎度のことながら私は時差に弱い.
グランドキャニオンの旅から帰国してもう数日が過ぎたのに,私はまだ時差ぼけに悩まされている.とんでもない時間に,やたらに眠くなる一方で,深夜にバッチリと目が覚めてしまいどうしようもなくなる,仕方がないので,ノソノソと起き出すと,今度は朝の~7時頃ぐっすりと眠ってしまうというていう体たらくである.
そうこうしているうちに,今日,土曜日を迎える.こんな体たらくな状態から一国も早く抜け出したい私は,いつもの土曜日の通り,丹沢の塔ノ岳に出かけることにした.
とはいえ,時差ボケのため真夜中の1時前に目が覚めてしまう.
”これではダメだ! もう少し眠らなければ…”
と思うのだが,どうしても眠れないまま,3時を過ぎてしまう.
仕方がないのでそのまま起床する.そして,何時ものように4時10分に家を出発して大船駅へ向かう.
家を出た途端に,詰めたい風に曝される.思わず身震いするほどの寒さである.
”なにもこんなに寒い所を無理して山へ登らなくても良いじゃないか…,すぐ家に戻って,寝ようよ…”
と私の体内に居るもう一人の私が,さかんに私をけしかける.その度に私は挫けそうになる.
■
東海道本線下り初電に乗車する.眠くて仕方がない.何とか乗り越さずに小田原駅で下車,小田急電車に乗り換える.その頃から辺りがだんだんと明るくなり始める.何時の間にか朝明るくなるのが随分と早くなったなと思う.
6時11分,渋沢駅に到着する.大倉行バス停に一番乗りである.寒い.ひたすら身体を動かしたり,ストレッチをしたりしながら時間を過ごす.その内に,YSさん,IsIさん,IIJさん,AIさん他,常連の皆さんが現れる.今日も何時もの土曜日と変わらない程の登山客の待ち行列である,
6時45分,大倉行の臨時バスが出る.6時55分頃,バスは大倉に到着する.
私は,ラップタイムが計りやすいように7時丁度に大倉から歩き出す.もちろん単独で…
歩き出してすぐに常連のAIさん,YSさんに追い抜かれる.
7時07分,登山口に到着する.登山口近くの梅がまだ見頃である.
<登山口近くの梅>
■花が美しい克董窯
程なく克董窯を通過する.塔ノ岳登頂のときはいつも克董窯を通過するが,林の中の静かなただずまいが羨ましい.
克董窯のすぐ先で舗装道路は途絶えて,石ころが敷き詰められた土道に入る.今日の土道はどうやら乾燥しているようである.
私は何時ものように超ユックリペースで歩き続ける…が,時差ボケによる睡眠不足でなんとも身体が重い.
”今日は塔ノ岳山頂まで登るのは無理かな…”
と思いながらも,当面は惰性で登り続ける.
<花が美しい克董窯>
■見晴階段
丹沢ベースを通過した頃,後から来たKIさん,MTさんが私に追い付く.暫くの間,私もこのお二人と一緒に歩き続ける.
観音茶屋を通過して,7時44分,見晴茶屋を通過する.そして,大倉尾根最初の難所である見晴階段に差し掛かる.
ここで,階段を見上げた定点観測用の写真を撮る.写真には沢山の登山者の後ろ姿が写っている.私のすぐ前には女流韋駄天のYDさん,つい先ほどまで一緒に歩いていたKIさん,MTさんの後ろ姿も写っている.
私は何とも身体が重い感じなので,とてもではないがこのお三方の後に付いていくことができない.そのためお三方と私の間がじわりじわりと開いていく.
”情けないなあ…”
見晴階段をもう少しで登りきるところで,後から来られた200名山のNMさんが軽々と私を追い抜いていく.
<見晴階段>
■モミジ坂
見晴階段を何とか登り切って,モミジ坂に差し掛かる.沢山の若い登山者に追い抜かれながらも,ノタノタと登り続ける.耳元では,
”もちっと速く歩こうよ…”
という悪魔のような囁きが聞こえてくるが,
”イヤ待てよ,自重してユックリ歩かなければ駄目だよ”
と私を宥める声が入り乱れて聞こえてくる.
そのうちに私の後うぃぴったりついてくる人が居るのに気が付く.私はこの方に先に行ってもらおうと思って,脇の方にずれるが,うしろの人も私の後ピッタリを止めない.いらだたしい.
”ウザイよ,あんた…”
と言いたいところだがキンギョのウンコ氏には通じない.
8時01分,一本松を通過する.
私はあいかわらずキンギョのウンコ氏が気になって方がない.
駒止階段に差し掛かる手前で,歩行速度を一層遅くして,キンギョのウンコ氏に先に行ってもらう.
「いやあ~…,貴方に浸いていくのが大変でしたよ…」
とウンコ氏が言う.
私は内心で"ナンノブユアビジネスソノヴァチッチ”
<駒止階段に差し掛かる>
■駒止茶屋
駒止階段をユックリ登る.先ほどまで私の前に見えていた常連お三方は,もう私の視界から消えてずっと先を歩いているようである.
8時17分,ようやく駒止茶屋を通過する.
大倉からの所要時間は1時間17分.もちろん,余り良い席席とは言えないが,時差ボケで重たい身体であることを考慮すれば,(それに自分の年令を考えれば)まあ,思ったほど悪くもないな…と,気を取りなおす.
身体が重いのは事実だが,気を取りなおせば,その重みも体感的には違ってくる.大倉を歩き出した頃は,今日は堀山の家辺りを終点にしようかと思っていたが,もう少し先まで登って見ようかなという気になり始める.
<駒止茶屋>
■小草平(堀山の家)
堀山の尾根道に差し掛かる.先ほどから粉雪が舞い始めている.上空には分厚い雲が掛かっている.無風だがとにかく寒い.
やがて晴れていれば富士山が見える場所に到着するが,今日は分厚い雲に遮られて富士山は全く見えない.
8時27分,堀山の道標を通過する.ここから暫くの間はなだらかな下り坂である.何時もならフルスピードで通過するところだが,今日はその気にもなれないので,ユックリペースで歩き続ける.
8時36分,小草平に到着する.小草平のベンチでは数名の登山客が休憩を取っている.
堀山の家はまだ開店していない.店先の温度計によると,現在の気温は+1℃.やっぱり今日は寒い.
<堀山の家>
■萱場平
私は小草平も休まずに通過する.
相変わらす気楽な独り歩きである.全くのマイペースで歩けるのが嬉しい.ノソノソと登っている内に何時の間にか戸沢分岐に到着する.
8時57分,萱場平を通過する.たった3分とはいえまだ9時前である.
”ありゃ~っ! 身体が重いにしては,意外に良いペースじゃないか…”}
このペースで登れば,10時前に塔ノ岳山頂に到着しそうである.それに,上空の雲も少し薄くなり始めたようである.
萱場平で俊足のMGさんが私を追い越して行く.
”このまま,とにかく花立山荘までは登ろう…”
私は俄然やる気が出始める.
萱場平のベンチでは,先ほど私を追い越した方々が休憩を取っている.
<萱場平>
■花立山荘
萱場平の木道の先は泥んこ道である.まだ速い時間なので,無数の靴跡が付いた泥んこ道は凍結しているが,下山するときには溶け出しているに違いない.今から下山のときの泥んこが気になる.
ユックリペースを守りながら,ノソノソと登り続けている内に,後七分坂(花立階段のこと)に到着する.
晴れていれば,ここから富士山が良く見えるはずだが,今日は残念.
後七分坂を9分も掛けて,9時22分にようやく花立山荘に到着する.上空は何時の間にか晴れているが,富士山は相変わらず雲の中である.
大倉から花立山荘までノ諸幼児かっjは2時間22分.数年前の私なら塔ノ岳山頂に到着している時間である.でもこんな愚痴を言ったところで詮ないことである.
小草平からの所要時間は46分.ここは40分程度で歩きたいところである.
<花立山荘>
■花立山
肌建て山荘を通過して花立山に差し掛かる.
このとき,今日の私は意外に疲労感がないのに気が付く.全く汗もかいていないし,浸かれも感じない.やっぱりこういう歩き方をマイペースっていうんだろうなと思いながら,花立山荘から10分掛けて,9時22分,花立山山頂に到着する.
晴れていれば,ここから富士山や南アルプスの山々が見えるのだが今日は残念.ただ近場の蛭ヶ岳方面の山々が良く見えている.
花立山山頂で写真を撮っているときに,下山してくるチャンピョンとすれ違う.
「…やあ,FHさんですね…」
と何時もの定型句で私に話しかける.
<花立山山頂からの眺望>
■塔ノ岳山頂
9時27分,金冷シを通過する.
山陰には残雪があるものの,登山道は凍結した泥道である.
ここから先は実に気楽.どんなにユックリ歩いても15~6分も歩けば必ず塔ノ岳山頂に到着できるに違いない.
金冷シから最初の階段と2番目の階段を通過して,いよいよ最後の階段に差し掛かる.ここで下山してくる女流韋駄天のYDさんとすれ違う.
「やっと,ここまで来ましたよ…」
と私は照れ隠し.YDさんから,
「…まもなく,MGさん,YSさん,AIさんが下ってきます」
とのこと.
山頂直下の木の階段を3分の2ほど登ったところで,下ってくる件のお三方とすれ違う.
「私も,ちょっとだけ山頂で休憩を取って,すぐに下山します」
ということで一旦お別れする.
9時54分,塔ノ岳山頂に到着する.
残念ながら,雲が多くて眺望は殆どない.山頂の気温は+1℃.無風なのでそれほど寒くはない.
大倉からの所要時間は2時間54分.対して優秀なラップではないが,まあ3時間を切っているのでこれで良しとしよう.
花立山荘からの所要時間は32分.
”あと2分早めるのは容易かな…”
と独り言.
山頂で,ちょっとだけ食事をして下山することにする.
<塔ノ岳山頂>
■下山開始
塔ノ岳から周囲の景色を儀式として撮影する.
華伊達美弥雄さんが居ない尊仏山荘には立ち寄る気もしないので,10時02分に下山開始.
下山も全く気楽な独り旅である.
11時05分,小草平に到着する.堀山の家に立ち寄ろうか,それとも通過しようかと迷っているときに,たまたま堀山の家の前に三角髭のTDさんが居られる.
”じゃあ,(堀山の家)に立ち寄りましょう…”
ということで,2週間ぶりに堀山の家で途中下車する.詰めたい甘酒を所望する.
女主人から,ケーキ1切れのプレゼントがある.
そろそろ堀山の家から歩き始めようとしたときに,KIさんとMTさんが堀山の家に入ってくる.
女主人のやっちゃんが,
「皆の写真を撮りましょう…」
とのお誘いがある.
そこで三角髭のTDさん,MTさんと一緒にパチリ.多分,堀山の家のHPがメンテナンスされる今週中頃には,この写真が掲載されるだろう.楽しみにしている.
<堀山の家で甘酒>
■無事下山
11時15分,堀山の家から下山開始.
終始独り旅で気楽.
途中でこのまま下り続ければ,大倉発12時41分のバスに間に合いそうだなと気が付く.そこで,当初は観音茶屋でお汁粉でも食べようかと思っていたが,観音茶屋は通過.
12時33分,バス停大倉に到着する.
バス停には,TGさん,MGさん,AIさん,HNさん,IIJさん,YSさんなどの土曜メンバーが居られる.私も皆様と一緒に,12時41分発の渋沢行路線バスに乗車する.バスは途中から乗車した客を含めて,殆ど全員が座れるほどの混雑である.
■コーヒーブレーク
私達が乗車したバスは,13時少し前に渋沢駅に到着する.
例によって,渋沢駅ビル1階にあるドーナッツ専門店に入る.店内は残念ながら少し混雑していて,二手に分かれて座ることになる,「
<渋沢駅ビルのコーヒー店へ>
■美味しいコーヒー
私は270円也のコーヒーを所望する.お代わり自由.
みみっちい話だが,私は2回お代わりをして合計3杯.つまり1杯辺り90円.
”90円か! こりゃ安い!”
根がけちん坊の私は,独りで"ニタリ”とする.
”コンビニのコーヒーより安くて,美味しいゾ!”
<ミスタードーナッツの美味しいコーヒー>
■睡魔と戦いながらの1日だった
今日は時差ボケの関係でやたらに眠くなるので,コーヒーの覚醒作用が利いている内に電車に乗ろうと思う.そこで皆様より少し先に,コーヒー店を出て,渋沢駅に向かう.
でも,やっぱり小田原行の電車に乗車した途端に眠くなる.眠いのを我慢して,小田原駅で東海道本線の上り電車に乗り換える.
眠気覚ましに,乗り換えるとこにセンベイを購入して,車内でボリボリと囓るが,やっぱり眠気が襲っている.
何回も眠ったり起きた入りを繰り返して,やっと大船に到着する.
帰宅後,ちょっと一眠りしようかなと思ったが,こんどは眼が爛々と冴え渡る.では,PCでもONにして,少し仕事をしようかと思って,電源を入れたところで,また眠くなる.
”仕方がないなぁ…では15分ほど居眠りするか…”
ということで,横になる.途端に寝込んでしまう.
”しまった…”
と身体のどこかで,叫び声がする.
慌てて目覚めると,もう19時を廻っている.
家族はとっくに夕食を済ませている.
「あまりよく眠っているので,そのままにしておいたのよ…」
そんなわけで,時差ボケに邪魔されながらの1日が終わった.
でも,ともかく塔ノ岳山頂まで無事に往復できたので”良かった,良かった”である.
<ラップタイム>
7:00 大倉歩きだし
7:21 観音茶屋
7:44 見晴茶屋
8:17 駒止茶屋
8:36 堀山の家
9:23 花立山荘
9:23 金冷シ
9:54 塔ノ岳山頂着
10:02 〃 発
10:13 金冷シ
10:30 花立山荘
11:05 堀山の家(11:15まで休憩)
11:30 駒止茶屋
11:50 見晴茶屋
12:19 観音茶屋
12:33 大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1,269m
■上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:00
塔ノ岳山頂着 9:54
(所要時間) 2時間54分(2.90h)
水平歩行速度 7.0km/2.90h=2.41km/h
登攀速度 1,269m/2.90h=438m/h
■下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 10:02
大倉着 12:33
(所要時間) 2時間31分(2.52h)
水平歩行速度 7.0km/2.52h=2.78km/h
下降速度 1,269m/2.52h=504m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
(塔ノ岳)
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6c95569f8ef8f640b409e32dd02e9ea8
(八菅山・鳶尾山)
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/925c7bc97ef6103a1b46c1d4727ac366
「丹沢の山旅」の次回の記事
なし
お断り;
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時差ボケでしんどい丹沢;塔ノ岳(今年7回目)
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