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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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春の鎌倉;大船観音・貞宗寺・龍宝寺観梅と田園都市の名残を求めて

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 早春の鎌倉;大船観音・貞宗寺・龍宝寺観梅と田園都市の名残を求めて
            (五十三次洛遊会定例会)
       2017年2月22日(水)  曇・冷たい風

<ルート地図>


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<大船駅から歩き出す>

■久々の定例会
 朝から冷たい風が吹いている.雨こそ降らないが曇天である.今日は五十三次洛遊会の定例会開催日.久々の定例会である.
 前々から,今回の定例会の案内役を仰せつかっていた私は,定例会の開催日が近付くにつれて,だんだんと気が気ではなくなってくる.この会の散策案内を始めてから何年になるだろうか.多分,かれこれ10年ほどになるのではないかと思うが,正直なところ精も魂も尽き果てた.もう1年以上も前から,
 ”もう種切れだ! 今回で案内役はオサラバにしよう…”
と思いながらズルズルと案内を続けている.
 いきなりの愚痴で恐縮だが,私だけでなく会員の皆様も,それなりにお年を召してきたので,回を重ねるごとに歩行速度は遅くなるし,坂道が苦手になる…こんなことが重なって,ますますコース設定が困難になっている.
 ”何か新奇なことを考えなければ,この回も自滅するな…”
という危機感を何となく感じている.
 そんな状態の中,私は,今回の大船地区の散策計画を立案した.
 モットーは,
 ”何処まで歩くかは,そのときの運に任せよう…”
ということである.

■歩き出しは大船駅
 とにかくそんな状態の中で,私は参加される方々の顔ぶれを思い浮かべながら散策ルートを設定した,その結果,冒頭の地図に示したように,大船北部地区の社寺若干と大船田園都市構想の残渣などを一廻りした.
 さて,閑話休題.
 今回は大船駅10時00分集合である.
 10時少し前に参加予定者12名(男性4人,女性8人)が集まる.
 9時48分,大船駅から歩き出す.

<丑堰跡から大船観音寺>

■丑堰跡
 大船駅前で柏尾川に架かる橋を渡る.橋の欄干から,砂押川が流入する辺りに,その昔丑堰があったという.今はこの堰の痕跡らしいものは何一つ残っていないが,昔の大船界隈が一面の田圃だった頃を連想しながら,橋の上から柏尾川を覗き込む.
 その後,橋を渡って,大船観音寺参道入口に向かう.

■大船漢音像
 私は毎日のように大船観音を眺めているのに,このところ待った居大船観音寺を訪れたことがない.多分,前回大船観音寺を訪れたのは,40年ほど前のことだと思う.茫々の昔のことなど全く覚えていない.
 参道は,やや急な登り坂である.坂道を登り切るといよいよ大船観音寺の境内である.
 まずは,順路に沿って大船観音を詣でる.遠目で見ていた感じより,随分と大きな観音像である.胎内に祀られている観音像を参拝する.

<大船観音像>

■燃え続ける原爆の火
 大船観音寺を訪れたら絶対に見落とせないのが「原爆の火」である.
 観音像の前から,急な下り階段を降りて,原爆の火を詣でる.あの広島の原爆の焼け跡から今日まで絶え間なくこの火が燃え続けている.
 私は爆撃には遭っていない.でも戦争中の苦難を子どもながらに体験している.私は,万感の想いを心の中に秘めたまま,そっとこの火を見つめる.
 大船観音寺を訪れたら,是非,この原爆の火だけは拝観して貰いたいと私は思って居る.

<原爆の火>

■桜が美しい
 境内で桜の花が咲いている.植物に疎い私には,何桜か分からないが,とのかく美しい.玉縄川桜だろうか? まあ,何の桜でも私にはどうでもいいが,とにかく美しい.

<大船観音寺の桜>

<離山富士見地蔵と常楽寺へ>

■大船軒と玉縄首塚
 10時50分,大船軒の本社・工場の前を通過する.私は内心で,
 ”ここで昼食を摂るのもいいな…でも,12人ではムリかな…”
などと考える.
 10時55分,玉縄首塚の前を通過,橋を渡って柏尾川左岸へ.近くにある塩釜神社には立ち寄らずに東海道本線の踏切を渡る.
 
<大船軒>                                    <玉縄首塚>

■離山富士見地蔵尊
 その昔,田圃だったところから離山へ向かう.
 古い地図を披露しながら,この辺りの三つの山が連なっていたと説明するが,大半の方はそんな話には興味がなさそうである.このグループはどちらかというと”専ら歩く”が関心事のようである.このあたりが『鎌倉学』のグループとは違うなと実感する.
 11時26分,離山富士見地蔵尊に到着する.

<離山富士見地蔵尊>

■常楽寺
 11時46分,常楽寺に到着する.静々と拝観.
 本堂裏手に回って,北条泰時の墓を詣でる.

<常楽寺本堂>

■常楽寺の梅
 常楽寺の庭園に咲く梅が見事である.梅を拝観しながら,暫くの間,立ち休憩を取る.

<常楽寺の庭園>

■野菜の無人スタンド
 12時丁度に常楽寺を出発する.住宅地の中の路地を抜ける.
 途中で,野菜の無人スタンドに立ち寄る.スタンドの脇には「鎌倉ブランド野菜」という幟旗が立っている.
 無人スタンドには,もう売り物は少ししか残っていないが,ブロッコリが安価とのことで,何人かの方々が購入する.
 
<無人スタンドの幟旗>                           <無人スタンド>

<松竹大船撮影所跡>

■イトーヨーカ堂で昼食
 途中経過が予定より大分遅れたので,イトーヨーカ堂1階の食堂で昼食を摂ることにする.
 三菱電機と大船中央病院の前のロータリーで立ち止まって,大船田園都市構想図で示されているロータリーと照合しながら,往時の田園都市構想を偲ぶ.
 その後,招致記大船撮影所跡地にある鎌倉芸術館前を通過し元三越エレガンスからイトーヨーカ堂に入る.
 イトーヨーカ堂の食堂(フードセンターというのかな)の一角に陣取って,昼食を摂る.私はホットコーヒーを注文する.
 私達が座って間もなく,フードセンターが急に混雑し始める.大半が若い女性である.多分,近くにある鎌倉女子大の学生だろうと想像する.
 食後.沢山の飴や菓子類を頂戴する.

<イトーヨーカ堂フードセンターで昼食>
 
■砂押川アメニティと松竹大船の碑
 昼食後,イトーヨーカ堂と鎌倉女子大学の間の道を砂押川アメニティ方面に向かう.つい先年まで,イトーヨーカ堂との間に寅さんの絵が画かれた塀があったが,今は取り壊されてしまった,この辺りには当時を連想させる物は殆ど残っていない.ただ,砂押川に突き当たったところに,松竹大船の記念碑が立っているだけ.
 この記念碑を見物してから砂押川の左岸を大船郵便局近くまで下る.

<松竹大船の碑>

■田園都市の痕跡のある小池邸
 14時21分,大船田園都市構想の痕跡が残る小池邸の前を通過する.ここは個人宅なので敷地に立てられている小池邸の案内板の写真だけを撮って通過する.
 小池邸前の道を西へ歩いて,大船駅の自由通路を横断して,柏尾川沿いの大歩道橋の上を歩く.

<小池邸の案内板>

<貞宗寺>

■植木の住宅地を経由して貞宗寺へ
 14時21分,ショッピングセンターコーナンの横を通過する.進行方向左手には某大手製薬会社の大きな建物が,また前方には湘南鎌倉総合病院の高層ビルが見えている.
 途中で右折して,植木の住宅地内の路地に入る.さらに左折して,14時35分,路地の突き当たりにある貞宗寺に到着する.

<貞宗寺>

■貞宗寺の草履
 貞宗寺境内入口の一角に石仏2基と沢山の草履が祀ってある.
 近くで墓掃除をしている男性か,
 「…この草履は三途の川に旅立つときに履く草履ですよ…」
と私達に説明してくれる.以前から,私は,何で草履が祀られているのか不思議に思っていたが,この説明を伺って,
 ”なるほど,そう言うことだったのか…”
と合点する.
 
<墓掃除をされている男性から説明を伺う>               <2基の石仏と草履>

■貞宗院の墓
 墓掃除をされている男性の計らいで,…週院の墓を見せていただく.私はこれまで何回も貞宗寺を訪れているが,貞宗院の墓を拝むのは初めてのことである.立派な建屋の中に,美し宝篋印塔が大切に安置されている.
 感激!

<貞宗院の墓>

■貞宗寺の梅
 貞宗寺境内の梅を,そっと拝見する(冒頭の写真)
 素晴らしい. 

<貞宗寺の梅>

<圓光寺>

■圓光寺に到着
 14時48分,貞宗寺を出発する.
 再び住宅地内の路地を辿って,14時55分,圓光寺に到着する.本堂に登る階段脇の梅が見頃を迎えている.

<圓光寺>

■圓光寺境内
 石段を登って延光寺境内に入る.
 境内は静寂.本堂脇の梅が綺麗である.境内で数枚の写真を撮る.

<圓光寺境内>

<龍宝寺>

■予定を変更して龍宝寺へ
 当初の計画では,圓光寺からバス通りを経由して久成寺の梅を見学するつもりだったが,時間が随分通しているので,久成寺見学は省略する.さらに,ふわん坂から七曲り曲輪を降りるコースも諦める.残念ながら街中を経由して,龍宝寺へ向かうことにする.
 ”やっぱり,お互いに年を取ったな.葦の衰えは想像以上だな…”
 これが私の率直な感想である.でも一方では,
 ”でも,まあ,何とか歩けるだけ大したものだ…”
と思い直す.
 自動車の往来がうるさい道路を,トボトボと龍宝寺へ向けて歩く.
 15時22分,漸く龍宝寺に到着する.

<龍宝寺>

■龍宝寺は花盛り
 墓地沿いは花盛りである.玉縄桜だろうか.花のことはサッパリ分からないが,それでも花の美しさに感動する.
 15時38分,龍宝寺を出発する.

<龍宝寺の桜>

<玉泉寺>

■玉泉寺に到着
 龍宝寺トンネルを抜けてフラワーセンター大船近くの交差点を左折する.
 15時44分,ようやく玉泉寺に到着する.当初のスケジュールより大幅に遅延しているがやむを得ない.
 境内に入る.人の気配は全くなく境内は静まり返っている.

<玉泉寺>

■玉泉寺の境内
 玉泉寺本堂脇から墓地を見上げる,梅や桜の花が見える.
 15時51分,参拝見学を終えて,境内から外へ出る.

<玉泉寺の境内>

<塩釜神社から大船駅へ>

■トンネルを潜って塩釜神社へ
 玉泉寺の少し先の三差路を右折する.玉縄小学校の脇を通って,午前中に渡った〃は市を渡って柏尾川の左岸へ.
 16時01分,塩釜神社に到着する.
 この神社の由来など,私には全く分からないが,宮城県の塩釜と関係があるんだろうか.全く調べたことがないので,サッパリ分からないが,とにかく参拝を済ませる.
 
<トンネルを潜る>                              <塩釜神社>

■大船観音を見上げながら大船駅へ
 塩釜神社から柏尾川の左岸沿いに大船駅へ向かう.進行方向左手には,終始,大船観音が見えている.
 16時12分,ようやく大船駅に到着する.こうして,所要時間6時間14分の散策は無事終わった.その間,歩いた距離は10.7キロメートル.したがって,歩行速度は,時速1.72キロメートルであった.
 私は内心で,
 ”時速1.72キロメートルか!…まあ,そんなものだろう”
と納得する.
 大船駅で解散.

■路線バスを利用して帰宅
 希望者だけで大船駅でお茶ということになる…が,結局は夕食を摂る雰囲気になる.私はコーヒーをちょっとだけ賞味する積もりだったが,ドリンクバーという大げさなことになる.私は,単に一杯のコーヒーを飲みたいだけだったので,懇親会は辞退.路線バスに乗って,帰宅する.
 帰宅後,PCをオンにすると留守中に20通余りの着信メールがある.途端に現実に引き戻される.
 ”明日中に,展覧会出品予定の絵を1枚だけでも仕上げなければ…”
 私は俄にいろいろなことが心配になり始める.
 ”ノンビリと散策などしている場合か…!”
 私の体内に巣喰っているもう一人の私が,私に”喝”を入れる.
 ”明日は真面目に仕事をしよう…!”

<ラップタイム>

 9:58  大船駅歩き出し
10:13  大船観音寺(10:44まで参拝見学)
10:50  大船軒
10:55  玉縄首塚
11:26  離山富士見地蔵尊
11:46  常楽寺(12:00まで参拝見学)
12:20  イトーヨーカ堂(まで昼食13:05まで昼食)
13:14  松竹大船の碑
13:31  小池邸
13:45  大船駅
14:05  フラワーセンター大船
14:21  コーナン
14:34  貞宗寺(14:48まで参拝見学)
14:55  圓光寺(15:00まで参拝見学)
15:22  龍宝寺(15:38まで参拝見学)
15:44  玉泉寺(15:51まで参拝見学)
16:12  大船駅(解散)

[散策記録]

■水平歩行距離            10.7km

■累積登攀高度            157m 

■累積下降高度                           157m

■所要時間(休憩時間込み)
 大船駅発                  9:58   
 大船駅着                16:12
 (所要時間)          6時間14分(6.23h)
 平均歩行速度        10.7km/6.23h=1.72km/h
                                    (おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/7fa58d179f11548689adcd34a34b16e4鎌倉あれこれ」の次回の記事
(なし)

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 これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
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