アンデス・ブランカ山脈紀行;エピローグ(1);旅が終わった
(アルパインツアー)
2016年9月6日(火)~16日(金)
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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f7576b71c98e57591e622006a16b5801
<旅が終わった> (この項は再掲)
■やっと旅行記が完成した
今日は2017年2月22日(水)である.
このアンデス・ブランカ山脈トレッキングの旅を終えて帰国したのが昨年(2016年)9月16日のことであった.歳月の過ぎ去るのは実に早い.帰国してからもう5ヶ月もの月日が経過している.そして,一連の記事執筆もやっとエピローグを迎えようとしている.
”なんとまあ…! 執筆に時間が掛かったんだろう…!”
われながら,余りの筆の遅さに呆れながら,この稿を入力している.
それにしても…
私は,9年前(2008年),山仲間と一緒に,ブランカ山脈にあるピスコ山(標高5,750メートル)に登ったことがある.今でもそのときのことを,つい昨日のことのように鮮明に思い出すことができる.
でも,それ以来,ずっと,
”もう一度,あのピスコ山を遠くから眺めてみたいな…”
と思いつづけてきた.
ピスコ山登頂のときにお世話になった現地ガイドのクラディオさんとM井さんは,その後,ワスカランで雪崩に遭って遭難された.
今回の旅でも,ワスカランを仰ぎ見ることができた.私はお世話になったお二方に哀悼の意を表しながらワスカランに向かって合掌したかった.
私の密やかなこの願いは,今回の旅で無事叶えることができた.
ただ,残念なのは,ピスコ山登頂でペルーを訪れたときに,長い間宿泊させて頂いたリマの「ポコアポコ」は既に廃業していたことである.
あのとき,長い間,お世話になったポコアポコのオーナー夫妻に,一言,お礼が言いたかったのに…残念!
トレッキングは,予定通り無事終わった.そして,私は,多分,もう二度と訪れることはないペルーの思い出を私の心の中に積み重ねることができた.
長い長いフライトを終えて,14時頃,やっと東京(成田)国際空港に到着した.
■自宅の風呂でノンビリ
振り返れば,富士山の標高を遙かに超える高所のトレッキングが数日間続いていた.
往路は東京(成田)国際空港からアメリカン航空の飛行機で,ダラス,マイアミの2空港でトランシットして漸くリマ国際空港へ足掛け2日間にわたる大移動の後,さらにバスに揺られること8時間で,やっと旅のベースとなるワラスに到着した.足掛け3日間にわたる大移動である(ただし日付変更線を跨いでいるので,表面的には2日間).
ホテルらしいホテルに宿泊したのは往路でリマ,ワラス,カルワスの3泊,復路でワラスの1日合計3泊だけ.トレッキング中はテント泊であった.
トレッキング中は,下着は一回も着替えなかったし,勿論,シャワーすら浴びなかった.
トレッキングを終えて,ワラスのホテルでバスタブを利用したが,蛇口からは茶色で砂混じりのお湯が出た.でも,これでも現地では贅沢そのものである.
帰宅後,真っ先にしたことは,風呂に入ること.
わが家は築10年余りの古い家だが,日本式の深い湯船にタップリお湯を張って,ノンビリとお湯に浸かる…まさに極楽,極楽!
湯船に浸かりながら,自分の姿を鏡越しに見る.
日焼け止めの塗り方が足りなかったのか,顔や手は真っ黒…というよりは赤茶色に日焼けしている.不細工な顔の真ん中に,鼻の頭が特に焼けただれている.そんなに高くないはななのに,なんでこんなに日焼けするんだろう・
手を見ると時計のバンドの跡だけが日焼けせずに残っている.
”まるてお化けだな…”
妖怪変化のような自分の姿に,驚きと哀れみを感じてしまう.
こうして,帰国当日は瞬く間に過ぎ去った.
この記事を読み返しながら,1年後の今日(2月22日),改めて自分の顔や手を眺めなおす.
日焼けしていたぺちゃ鼻は,元の不健康な色に戻っている.クッキリと付いていた手首のバンド跡も,もう,全く元の状態に戻っている.
”あのアンデスの旅は,私にとって,一体,何だったんだろう…”
今,私はこの記事を入力しながら,不思議な感じを受けている.そして.フト,”忘却とは・・・”の名台詞を連想してしまう.
■実に美味しい夕食
帰宅した当日の夜,家内が用意した夕食は刺身と照り焼きの魚がメイン料理だった.
炊きたてのご飯の香りが何とも懐かしい.このご飯の香りを嗅いだだけで,
”ああ,今,オレは日本に居るんだ! やっぱり日本は良いな…”
と感激する.
炊きたてのご飯の食感に感激.それに,旅行中はほとんど口にできなかった新鮮な野菜.
”ウ~ン…!! やっぱり日本食が一番だな…”
久々の純和食に,やっぱりわが家が最高だなを実感する.
<旅の概要と所感>
■コースレベルと参加者
次回のブログ記事から,旅の様子を詳細に記述するつもりだが,とりあえずここで旅の概要と所感を思いつくままに書いておくことにしよう.
まずは,このコースのレーティングから…
このコースの難易度は,A社のレーティングでは
歩行時間の目安 ;靴マーク3.5個
最高宿泊地の高度;山マーク2個
である.
言い換えると,5時間程度の歩行が4日以上含まれるやや健脚向きコースと,8~10日間程度の歩行が数日または長時間にわたっての歩行が含まれる健脚向きコースの中間のレーティングである.また高度では標高3,800~4,500メートルで高山病の影響がややある程度のコースである.
参加者は6人(男4人,女1人.内夫婦1組)である.参加者の住所は関東地方4人,中部地方1人,九州地方1人である.例によって,私が,またもや,参加者の中での最高齢者と言うことになってしまう.ここ数年,毎度のことだが…
たった6人の参加者なので,旅が始まると,お互いがすぐに打ち解けてくる.グループとしての行動も小回りが利くので,大変,居心地が良かった.
■峻険な山と荒々しい自然
ブランカ山脈トレッキング11日間で見たものは,氷河に覆われた峻険な山々,山奥で極貧生活をおくる人,それに近代的な都市部.この絶望的とも終える大きな格差,赤土と埃まみれで,緑が殆どない大地.
私は,ブランカ山脈トレッキングの旅を終えてから,1ヶ月後の10月21日(金)から3日間,23日(日)まで,信越トレイルのセクション1~3を歩いた.このとき,移動中の電車や自動車の車窓から眺めた日本の集落や里山の美しさ,清潔さに,いいしれぬ感動を覚えた.
ペルーのトレッキング中に眺めた峻険な山々は確かに厳しく雄大で感激したが,移動中の車窓から眺めた集落の様子や赤土ばかりの里山に比較すると,日本はまるで箱庭のように繊細で宝石のように美しい.
私達日本人は,如何に自分たちが緑豊かな自然に恵まれいるか,都市と農村との生活に殆ど格差がないかが,海外に出てみると身に染みて分かる.私達は確かに恵まれている.それにもかかかわらず,この素晴らしさに気付かずに過ごしている…実に勿体ないなと感じる.
見渡す限り緑が殆どない赤土の大地に,へばり付くように建っている住宅を見ていると,自宅の狭い庭で,愚痴を言いながら,雑草を抜いている自分が,何となく悪いことをしているのではないか錯覚する.
雑草とはいえ,貴重な緑の資源である.私が引き抜いた雑草,生まれ変わってペルーで育って欲しいなとつくづく思う.
話を戻そう…
毎日,富士山の標高を遙かに超える高所のトレッキングはそれなりにシンドかった.
でもそのうちに高度に順応して,毎日富士山より高い所を歩いているにもかかわらず,標高の低い所を歩いているような気がしてくる.馴れとは恐ろしいものである.
事実,帰国してから暫くの間は,塔ノ岳に登っても呼吸が大変楽に感じていた…が,半年建った今は,もう塔ノ岳登山がしんどくなっている.
<旅行記が完結する>
■分厚い量の記録が貯まった
この旅行記を書き始めたのが,昨年(2016年)7月26日である.その日から今日まで7ヶ月.漸く次回の投稿で終わろうとしている.
その間,よくもまあ書くも書いたり…である.この旅行記のプリントアウトを綴り込んだバインダーを見ると,その量は,普通の単行本2~3冊分程度になる.
”よくもまあ…碌でもないことを,こんなに沢山書いたものだ…誰に頼まれた訳でもないのに…”
というのが私の率直な感想である.
”こんなもの,バインダーに綴じ込んで保管しても,私が旅立ったら,躊躇なく”燃えるゴミ”として焼却されてしまうに違いない…こんなことを考えると”ちょっと”むなしくなる…が,おっと,そんなことは考えずに,次に旅をするところを見つけなければ…
<ブランカ山脈トレッキングのブログ記事のプリントアウト>
■当面は水彩画だ…
当,ブログ記事は,後,1回で終わる予定である.
その前に…
来る4月に開催される絵の展覧会に出展する水彩画3枚を早く仕上げなければ…いやはや,幾つになっても,いろいろなことに追いかけられっぱなしだなぁ…
(次回につうく)
つづき(エピローグは新たなプロローグ)の記事
↓
(編集中)
「ブランカ山群トレッキング」の目次
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3ac14bd1d44b99a378555e26864f76b7
「ブランカ山群トレッキング」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/9e3ba704d9bf4f7278473747420c4534
[参考資料]
ペルー周遊記(ピスコ山登頂);インデックス
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f78082280c7a6bb87b1810478b6786ea
お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
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