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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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アンデス・ブランカ山脈紀行;プロローグ(1);登山者検診合格

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   アンデス・ブランカ山脈紀行;プロローグ(1);登山者検診合格
          (アルパインツアーサービス)
      2016年9月6日(火)~9月16日(金) 

   ※高所登山のため,登山者検診を受けていたが,7月26日,無事合格したので,
    初出の関連記事を加筆修正して,プロローグ(1)の記事として再掲載する.   

<登山者検診受診>

出発日46日前;2016年7月22日(金) 雨・涼しい1日

■思い出のアンデス山群
 数年前に,山の知人と一緒に,アンデス山脈のピスコ山(標高5,750メートル)に登ったことがある.その経緯の記事は当ブログにも連載済みだが,現地の山岳ガイドにロープで確保して貰い内ガラ,氷河の稜線を四苦八苦しながら登ったときのことを今でも鮮明に覚えている.
 重登山靴に12本爪のアイゼンを装着すると,片足だけで約3キログラムの錘をつけているのと同じになる.しかも,幕営地の標高は4500メートルを越える高所である.高山病に罹患したわけではないが,極度の食欲不振に悩まされた.
 でも難行苦行の末,無事登頂できたときの感激はまた一入であった.
 下山もまた大変だった.疲労困憊してしまった足許はついついふらつく.氷河を抜けて,ガレ場まで下ったときの嬉しさはまだ鮮明に覚えている.

<ピスコ山山頂(標高5,750m)からの眺望>

■ブランカ山群トレッキングに仮申込み
 ピスコ山に登頂してから,瞬く間に数年の歳月が流れた.
 その間,もちろん私は毎年のように,結構,骨の折れる山に登ってはいるが,4000メートルを越える高い山には,このピスコ山に登頂して以来,全く登っていない.要するに景色の良いヨーロッパアルプス,カナディアンロッキー,北欧の山を主体に毎年登山を続けてきた.
 でも,最近になって,また,アンデスの山が恋しくなり始めた.
 そうは言っても,私ももうかなりの高年齢である.実は私より若い有名人が最近二人もあの世に旅立っている.それに今話題の都知事選候補の中で健康問題が懸念されている某候補者も私よりずっと若い.
 そう考えると,一見元気そうに見える私でも,高齢者には違いない.そんな高齢者が標高4000メートルを越える高所トレッキングに出掛けて良いんだろうかと,自責の念に駆られる.
 そして,遅ればせながら重い腰を上げて,
 「アンデス・ブランカ山群トレッキング11日間」
というツアーに申込み手続きを開始する.
 申し込んだトレッキングルートの概念図は以下の通りである.

<ペルー概念図>                 ピスコ山周辺拡大図
                                 ↓

<今回申込み中のトレッキングルートの位置>

■思い出のコップ山荘
 ピスコ山に入山するには,ワスカラン国立公園(正確な名前忘れた!)に入る.ここからは名峰ワスカランがとても良く見える.
 下の絵はアンデスの名峰ワスカラン(20号),神奈川美術協会公募展出品作品である.
 ワスカランは双耳峰.その向かって右側の峯だけを絵にした.
 この山は,私などには絶対に登れない厳しい山である.数年前,ペルーでお世話になった登山家三井さんと現地山岳ガイドのクラディオさんが,このワスカランで雪崩に遭って遭難した.だからお二人に大変お世話になった私にとっても,鎮魂の山である.合掌.私はこの山に畏怖の念を餅ながら,お二人に捧げるこの絵を画いた.
 なお,上野地図に記載されている「コップ山荘」は,故三井氏とクラディオ氏の共同経営の山荘である.私達はこの山荘を起点にして行動をした.お二人が亡くなってから,コップ山荘のHPも閲覧できなくなったので,多分,もう営業していないと思われる.
 私達がペルーを訪れたとき,クラディオさんにはとても可愛い男の子が居た.あれから幾星霜,今はどうされているんだろう.

<思い出のコップ山荘>


<ワラス市内のホテルからの眺望>

■高所トレッキングには登山者検診が必須
 今回申込み手続きをしているツアーは,所謂,ピークハントのツアーではない.具体的に言えば,数年前に登頂したピスコ山の周辺を4日掛けて周回するトレッキングである.従って,重登山靴やアイゼンも必要ないし,ザイルパーティを組む必要もない.まあ,有り体に言えば,技術的な難易度はそれほど高くはない,ただ,途中で標高4,750メートルという高所の峠越えがあるのが難所である.
 高所と言うだけなら,過去に,私はキリマンジャロ(標高5800メートル)をはじめとして,モンブラン,メンヒ,ユングフラウ,ウイルヘルム山,キナバル山,エルバート山など標高が4000メートルを超える山に登った経験がある.でも,北アルプスの3000メートル級を除けば,ここ数年,標高が高いところに登ったことがない.それだけに,この年になって,また,標高が4500メートルを越えるところに登るにはいささかの決断が必要である.
 高所登山に参加するには,日本登山医学会登山者検診ネットワーク実行委員会に所属する受診医療機関で実施する登山者検診をパスすることが前提条件になっている.
 希望するトレッキングの出発日は,9月初旬.
 このトレッキングに参加するためには,早急に登山者検診をパスしなければならない.
 私は,ATSから紹介を受けた医療機関の中から,自宅から一番近い世田谷にあるSH内科を予約した.その予約日が今日(7月22日)午前中である.
 私は,多少の時間的余裕を見て,大船駅から東海道本線下り電車で藤沢へ.ラッシュアワーを少し過ぎた時間帯なので,電車は比較的空いている.
 藤沢から,小田急江ノ島線の電車で,診療所の最寄り駅,祖師ヶ谷大蔵へ向かう.
 この時間帯は,なんと急行電車は1本もない.まずは町田まで各駅停車,町田で小田原から来た各駅停車の電車に乗り換えて新百合ヶ丘へ.新百合ヶ丘から急行電車,さらに各駅停車に乗り換えて,やっと祖師ヶ谷大蔵に到着する.藤沢からの所要時間は1時間を越えている.なんとまあ…不便なことよ!

■SH内科クリニックの登山者検診
 祖師ヶ谷大蔵駅から診療所までの道のりはせいぜい5分ぐらいだが,土地勘が全くない私には少々わかりにくい.
 駅前から道幅が狭い繁華街を北に向かって歩く.左右に細い路地が何本も分岐する.
 地図を見ながら,
 ”どうもこの角を曲がるらしいな…”
と訝りながらも左折する.
 やがて,ちょっと大きめの仕舞た屋風の2階建ての家屋が,目指す診療所だと分かる.
 玄関から建物の中に入る.この建物の2階がSHクリニックである.
 階段を登って2階の診療所の受付で,
 「…今日午前中に予約したFHです…」
と申し出て確認を取る.
 先客は2人だけ.比較的空いている.
 まだ新築間もない感じで,何となく木の香りが漂っている.受付の脇に診察所が2ヶ所.
 受付に,保険証とATSから送られてきた書類を揃えて渡す.
 「FHさんは,(この診療所に来るのが)初めてですので,この用紙を記入して下さい…」
 用紙に記入している間に,体温を測定する.勿論,平熱である.

■健康診断を受ける
 10分ほど待って,健康診断が始まる.
 女医さんである.山に詳しい.
 私が数年前にピスコ山に登ったと報告すると,「私も登った…」とのこと.ひとしきり山の話で弾む.ATSのツアーでお世話になった山岳ガイドSSKさん,TGさんなど女医さんもご存じの方が居られて,共通の話題が尽きない.
 「…塔ノ岳に行かれているようですが,ヒル大丈夫ですか?」
 「週1回,塔ノ岳に登っていますが,登山道でヒルに会ったことはまだありません…」
 検査は胸部レントゲン,心電図,肺機能(1秒率),胸部打診,血液検査(6月に検査した項目を除く),検尿など多岐にわたる.
 「高所で何か症状が出ましたか…」
 「はい出ました.食欲不振で参りました…」
 「高いところへ行けば,だれでも食欲不振になりますよ…」
 検査結果が出そろって,最終的な合否判明するのは来週火曜日である.
 今日の段階での検査結果は,
  *肺機能は実年齢より10数才若い.
  *心電図の波形は綺麗である.
  *体型,BMIは全く問題ない.
  *血液検査などで,余程悪い数字が出なければ問題ないだろう.
とのことであった.
 「高所登山には,肺機能が一番重要です.(あなたは)平素山に登っているので,肺機能がとても良いし,心電図も綺麗です…火曜日に検査結果が出そろったところで最終の結論を出しますが,よほど悪い数字が出ない限り大丈夫でしょう…」
 まだ,最終結論は出ていないが,肺年令が実年齢より15歳も若いことを伺って,正直なところ,とても嬉しい・
 これも塔ノ岳からの贈り物である.

出発日45~43日前

■丹沢;塔ノ岳往復
 出発日45日前;2016年7月23日(土) 曇後晴
 土曜日恒例の塔ノ岳登山に出掛ける.
 先週土曜日ほどではないが,今日もかなり蒸し暑い.
 胆石症手術を受けてから,まだ完全には体力が回復していない私は,熱中症にならないように細心の注意を払いながら,塔ノ岳山頂を往復する.
 バス停大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は,なんと3時間20分を要した.このコースの標準時間は3時間30分なので,コースタイムより速く登っているには違いないが,手術前には2時間40~50分で登っていたところである.体力が元通りに戻るのはまだ先だなと思い知らされる.歩数は約31,000歩(自宅から大船駅までの徒歩を含む).
 ただ,終始,余力を持って登山をしたので,下山後も疲労感は殆どないままで過ごせた.
 なお,今日の塔ノ岳登山の様子は,当ブログに掲載済みである.

<7月23日の塔ノ岳山頂;気温20℃>

<何となく多忙な毎日>

出発日44日前;2016年7月24日(日) 晴

■丹沢;ユーシン渓谷ハイキング
 毎月第4日曜日は,ARENAオフミという登山グループの登山日である.
 今回は,丹沢のユーシン渓谷ハイキングである.参加者は10数名と盛況.
 バス停玄倉からユーシンロッジまでの片道9.3キロメートルの行程を往復する.初夏の新緑と,ユーシンブルーの川の水を眺めながらのハイキングである.往復18.6キロメートルの行程を一人の落伍者もなく無事踏破する.歩数は約35,000歩.
 このときの様子は,当ブログに掲載済みである.

<ユーシン渓谷>

出発日43日前;2016年7月25日(月) 晴

■鎌倉小町・雪の下・大町の社寺遺構を廻る
 関東学院大学公開講座「鎌倉学」受講者有志の第1回鎌倉散策の開催日である.参加者は7名.私以外は全員女性である.たまたま私が鎌倉に住んでいるというだけの理由で,私が鎌倉案内を引き受ける.
 講義では既に顔合わせは済んでいるが,一緒に歩くのは初めてなので,皆さんがどの程度歩けるかも分からず戸惑いながらの散策となる.
 3時間余り掛けて,鎌倉駅から鶴岡八幡宮,宝戒寺,妙隆寺,琴弾橋,蛇苦止堂,妙本寺,ぼたもち寺,八雲神社,逆川橋,辻薬師堂,元鶴岡八幡宮(由比若宮),本覚寺,大巧寺を経由して鎌倉駅まで歩く.
 こうして,連続3日間,歩きっぱなしだった.その間,雑務が山積してしまう.
 このときの用紙は,当ブログに掲載済みである.

<緑陰の八雲神社>

■神奈川美術協会会員展の準備
 鎌倉散策前に郵便受けをチェックすると,数通の郵便物に混じって,茶色の大型封筒が目に付く.
 ”あっ…! 神奈川美術協会からの書簡だ!”
と直感する.
 様々な連絡事項の中に,今年10月に開催予定の神奈川美術協会会員展の出展要項が入っている.
 私は,この展覧会に水彩画を2枚出展しようと思っている…が.なかなか作業が進まないので,かrなりイライラしている.
 ”早く作業を本格的に進めなければ…”
 私は茶色の封筒を見た途端に焦り始める.


■仕事の打合せ
 夕方,19時から,わが家の客室で,2人の客人を交えて,2時間ほど,私の本業の打合せをする.
 仕事のことを,当ブログに記述するのは馴染まないので省略するが,21時過ぎにやっと解放される.
 なんともシンドイ1日だった.

出発日42日前:2016年7月26日(火) 曇

■登山者検診結果を受け取る
 今日は,登山者検診結果が判明する日である.
 私は,東海道本線と小田急線の電車を乗り継いで祖師ヶ谷大蔵にあるSH内科を訪れる.
 今日も先客が2~3名居る.
 15分ほど待って,医師から診断結果の説明を受ける.説明内容の詳細はプライバシーに拘わることなので,ここでは省略するが,要するに高所登山OKということになる.
 検査を担当した医師は,
 「…肺年令は実年齢より15才ほど若いし,心電図も綺麗です.特に悪い検査項目もありません.多分,平素から山へ登っているからでしょう…ただ,高年齢なので,健康状態は「良(good)」,危険性は「中程度(intermediate)」という判定にします…」
とのこと.
 ちなみに健康状態は,優良(excellent),良(good),可(fair),不可(poor)の4段階で評価される.私の場合は「良」なので,まあ,良いと言えば良いのだが,優良ではない.
 危険度は,少ない(low),中等度(intermediate),高い(high)の3段階評価である.私の場合は真ん中の「中等度」である.できれば「少ない」と評価されたかった.
 …ま,それはともかく,医師からは,
 「…大いにブランカ山群を楽しんできてください…」
と励まされる.

■まずは気分転換の天丼だ!
 小一時間で検診結果受領は終わる.
 もう,11時を回っているが,昼食を取るには早すぎるが,帰宅してから昼食では遅すぎる.胆石症手術を受けた後,油物を食べても平気になった私は,久々に天丼でも食べようかと思う.
 ”天丼なら大船駅前の天丼屋が一番落ち着いて食べられるな…”
 祖師ヶ谷大蔵から小田急電鉄で藤沢まで戻る.途中で普通電車から小田原行の多摩急行に乗り換える.さらに小田原行急行に乗り換える,そして相模大野で藤沢行快速急行とやらに乗り換える…藤沢で東海道本線へ…
 やたらに乗換が多いので,実に面倒臭いが,電車所要時間約1時間半でなんとか大船に辿り着く.そして待望の500円也の丼を賞味してから帰宅する.

■ATS社にメールで報告
 夕方,登山者検診の結果が高所登山OKだったことを,このトレッキングを主催するATS社に報告しなければならない.検診結果がOKなら,ツアー参加申込みの資料を作成する約束になっていたので,
 「…これから急いで資料類に必要項目を記入して明日にでもATS社宛に郵送します…」
という趣旨のPCメールを送る.
 これで,今回のツアーは私を含めて参加者5人(男3人,女2人)で確定ということになる.
 ツアーリーダーは,これまで何回もお世話になったことのあるIBさんである.

出発日41日前;2016年7月27日(水) 曇

■ATS社に参加手続き
 この所,連日,わが家で避暑しながら勉強をしている孫娘と一緒に朝食を摂る.平素は老夫婦だけでボソボソと摂る食事とは違って,年頃の娘が加わると,普段と同じものを食べているにもかかわらず,何となく食が進むから不思議である.
 以前,大学に勤務していた頃,同僚の先生が,
 「…大学の教師は,平素,若い学生が発生する”若素”を浴びているから,年の割には元気な人が多い…」
と言っていたのを思い出す.
 朝食後,ATS社に提出する書類の作成に専念する.
 記入ヶ所が沢山あって,わずかな書類を作成するのも結構大変である.書類作成は午後までかかったが,15時の集配時間までに間に合うように投函する.そして,ATS社に,書類を投函したことをPCメールで連絡する.

■鎌倉中央公園のハンゲショウ
 ここ2日ほど鎌倉中央公園のハンゲショウがどうなったか見ていない.そこで,書類を投函する序でに,鎌倉中央公園を一回りしてみる.
 ハンゲショウの上京については,別スレットで当ブログに掲載済みである.

■水彩画の制作を本格的に開始する
 夕方から,10月開催の神奈川美術協会会員展向けの水彩画制作に本腰を入れることにする.これまでのダラダラ調子の制作では,とてもとても期日までには間に合いそうもない.
 ”この期に及んで,何をたわけたことを言っているんだ…! 10月に展覧会があることは前から分かっていたんじゃないの…”
と私の体内に巣喰っているもう一人の私が,私に苦言を呈する.
 この苦言に対して,私は”ぐうの音”も出ない.
                               (つづく)
つづきの記事
   ↓
(編集中) 

「ブランカ山群トレッキング」の目次
(準備中)
「ブランカ山群トレッキング」の索引
(準備中)

[参考資料]
ペルー周遊記(ピスコ山登頂);インデックス
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f78082280c7a6bb87b1810478b6786ea

お断り;
 これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
 また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します.







 


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