<花立山から富士山を望む>
久々の富士山と尊仏山荘のネコに会った丹沢:塔ノ岳(今年41回目)
(上りほぼ単独・下り常連と一緒)
2013年8月7日(水) 晴・猛暑
■猛暑だが久々の晴だ
暦の上では,今日は立秋.もう秋である.でも,天気予報では各地で猛烈に暑い一日になるとのことである.とはいえ,これまでの愚図ついた天気から一変して,今日は朝から晴れるとのことである.
“ならば,丹沢だ…!”
本当は登山には長ズボンを履くのが基本である.でも,今日は蒸し暑そうだし,たまたま,昨日,ユニクロで500円也で衝動買いした半ズボンがあるので,これを履いていくことにする.
どうせ早くから起床している私は,まだほんの少し東の空が明るくなり始めた4時10分に家を出発して,徒歩で大船駅に向かう.住宅街の舗装道路は昨日の熱が貯まっているらしく,気温は26℃.まだ夜明け前だというのに空気がモワモワと暑い.でも久々の晴は何と言っても嬉しい.
例により,小田急電車の車窓から,富士山と矢倉岳が重なる写真を撮る.今日はご覧の通り良く撮れた.南側から見た富士山には全く残雪はない.つい数週間前に登ったばかりの矢倉岳が懐かしい.今日,矢倉岳に登ったら,さぞかし富士山が見事だろうなと想像する.
<富士山と矢倉岳>
■バス停大倉から歩き出す
渋沢発大倉行バス停に6時22分に到着する.私が1番乗りである.
大倉行1番バスは数名の立ち席が出るほどの混雑である.この時期の平日にしては,今日は登山者が多い.
車内をザッと見回す.韋駄天組のNMさん,STさんの2強を筆頭に,TGさん,TDさん,MTさん,NMさん,Hさんなど,ご常連が乗車している.
7時05分,私はTDさんと一緒に大倉から歩き出す.韋駄天2強はバスが大倉に到着すると同時に歩き出したが,その他のご常連は,ほぼ同じ時間に大倉を出発したようである.
大倉付近の地面は乾いているので歩き易い.でも気温は朝から26℃.ほとんど無風である.これから先の蒸し暑さが思いやられる.
「今日はユックリ歩きますよ…宜しかったらお先にどうぞ」
とTDさんに進言するが,まあ,ユックリ行きましょうということで,暫くの間はご一緒することにする.
■見晴階段
今日の登山道は乾いているなと思っていたが,丹沢ベース付近から上はやっぱり濡れていて滑りやすい.この辺りは山ヒル銀座である.できればヒルには会いたくないので,登山道の真ん中を注意しながら登り続ける.
7時44分,雑事場ノ平を通過する.見晴階段に差し掛かる頃,私のすぐ後ろに居られたTDさんの気配がないのに気がつく.多分,雑事場ノ平で衣服調整か給水のために小休止されたんだろう.でも,どうせ私は,早晩,TDさんに追い抜かれるだろうから,そのままのペースで登り続ける.
何時ものように,見晴階段の下から階段を見上げる写真を撮る.この所,見晴階段を見上げた写真はどれもくれも霧が掛かっていて見通しが利かない写真ばかりだったが,今日は坂の上の方まで良く見えている.こぼれ日が眩しく反射しているのがとても新鮮である.
私は,“ユックリ登れ,ユックリ登れ…”と自分に言い聞かせながら,登り続ける.
<見晴階段>
■富士山が見事だ
8時03分,一本松を通過する.夏ラップとしては,まあ,私の標準である.まだ,TDさんが追い付いてこない.
シンドイ駒止階段を登って,8時17分に漸く駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間12分.いくら夏でも1時間07〜08分ぐらいで通過したいところだが,まあ,こんなところかと思いながら,堀山の尾根道に入る.ここは平坦地なので,少々速度を上げて歩くことにする.
相変わらず気温は高いままだが,どうやら,前回登ったときより,湿度は幾分低いようで歩き易い.
例の富士山が良く見える場所で立ち止まって,久々の富士山の写真を撮る.
今回は写真のとり方を少し工夫して,まずは一番明るい青空にカメラを向けてシャッターを半押ししてから富士山の写真を撮る.これで,バカカメラでも,どうやら露出オーバーにならずに,富士山の写真が撮れたようである.
<堀山付近からの富士山>
■小草平
8時23分,小草平に到着する.辺りには人影がなくひっそりとしている.
ここの関所,堀山の家は平日なので開店していない.従って関所はフリーパス.後ろを振り向くが,まだ,TDさんの姿は見えない.
私は,休憩を取らないまま,堀山の家を通過する.
<小草平>
■萱場平
今日は堀山の家から花立山荘まで,45分程度掛けてユックリ登ろうと思う.
こんな蒸し暑い日には,ちょっとでもオーバーペースになると,体力の回復がとても困難なのは先刻経験済みである.
“分相応の歩き方が一番良いんだよ…”
と絶えず自分に言い聞かせながら登り続ける.
8時53分,萱場平に到着する.萱場平は直射日光を浴びてムンムンしている.気温25℃.蒸し暑い.ただ,人の気配はなく,静まり返っている.
木道の間で繁茂するアザミはますます元気で,すっかり大きく育っている.
<萱場平>
■韋駄天のITさん
萱場平を過ぎて階段道になる.
階段を登り切って,ガレ場に差し掛かる頃,TDさんが私に追い付く.丁度9時00分.私はTDさんに先を譲る.そして,暫くの間は,TDさんの後ろ姿も見上げながら登り続ける.
9時08分,下山してくるIT女史とTDさんがバッタリ,立ち話を始める.
私はお二人の写真を撮ってからお二人にジョイン.私も雑談に加わる.今日,ITさんは大倉から塔ノ岳山頂まで2時間10分ほどで登ったとのこと.正に驚異的!!
ITさんが,私の半ズボン姿を見て,盛んに,
「…お元気ですね!」
とおっしゃる.
確かに私も同年配の方々に比較すれば元気かも知れないが,“お元気ですね”という言葉の先に“年の割には”という但し書きが付いているような気がしてこそばゆい.
<ITさんとTDさん>
■素晴らしい眺望の見晴階段
5分ほど立ち話をしてから,ITさんとお別れする.
再び,前を歩くTDさんとの距離が開き始める.私が後7分坂(見晴階段)を登り始めるときには,TDさんは30〜40段先を登っている.その差は階段を登るにつれて開いていく.
階段を3分の1ぐらい登ったところで,下山してくるNMさんとすれ違う.相変わらずの俊足である.階段の途中で振り返ると,素晴らしい眺望が開けている.熱気で靄が掛かっているが,相模湾沿いの街並みや真鶴半島などが良く見えている.
<見晴階段からの眺望>
■花立山からの鍋割山稜と富士山
後7分坂を,漸く登りきって,9時20分に花立山荘に到着する.相変わらず富士山が良く見えている.
大倉から花立山荘までの所要時間は2時間15分,堀山の家からの所要時間は47分.やっぱり先ほどの立ち話5分が,如実に所要時間に反映している.そんなことを勘案しながら,
“今の私の実力では,まあ,こんな所かな…”
と妙に納得して通過する.
花立山荘から花立山までの階段道が,私にとって一番イヤなところである.とても焦れったい思いをしながら階段を登り切って,花立山のガレ場に入る.
今日は鍋割山稜と富士山がとても良く見えている.率直に嬉しい.
ここで写真タイム.何枚かの写真を撮る.
<花立山から鍋割山稜と富士山を望む>
■涼しい塔ノ岳山頂
9時36分,金冷シを通過する.ここまで来れば塔ノ岳山頂ももうすぐだ.途中で,立ち止まりそうになっている男性と,若い2人連れを追い越す.彼らは明らかにオーバーペースで登ってきたに違いない.
“もっと頑張らずに登ったらバテないのに…”
と思いながら先に行かせてもらう.
金冷シから最初の長い階段で下山してくるSTさんとすれ違う.
9時51分に塔ノ岳山頂に到着する.気温は24℃.微風が吹いていて涼しい.
大倉からの所要時間は2時間46分.自分の年令を勘案すれば,まあこんなところか.
まだ,時間が速いせいか,山頂にはほんの2〜3人の登山客しか居ない.
恒例によって,山頂からの眺望を一回り写真に収める.
<塔ノ岳山頂からの富士山>
■久々の華伊達美弥雄氏
尊仏山荘に入る.先客は誰も居ない.どうやら1番バスの乗客の中で私が1番乗りのようである.私より先に塔ノ岳山頂に到着したTDさんは,そのまま丹沢方面に向かったようである.
今日の小屋番はWDさん.何時ものように300円也のお茶を所望する.
お茶を飲んでいると,どこからともなく華伊達美弥雄さんが現れる.久々のご対面.相変わらずオットリとしている.素性の良いネコである.人間の年令に換算すれば80歳を越えている.元気で何よりである.
<華伊達美弥雄さん> <久々のサイダー>
■尊仏山荘で雑談
10時頃,YUさん,ちょっと間が空いてNMさんとTGさん,その後,MTさんが到着する.これで山荘も漸く賑やかになる.NMさんとTGさんは北アルプスから帰ってきたばかり.
NMさんが,小屋番にサイダーを注文する.
“サイダーか,良いね…懐かしいな”
で,私もサイダーを頂戴する.
久々のサイダー,実に懐かしくて美味しい.居合わせた他の方々も次々にサイダーを注文する.
10時30分頃,チャンピョンが荷物をドッサリ背負って.尊仏山荘に到着する.私たちが飲んでいるサイダーも,みなチャンピョンが担ぎ上げたものである.
<サイダーで雑談>
■少々遅めの時間に下山開始
10時50分,居合わせた常連の皆さんと一緒に下山開始.少々遅めの時間の下山である.
尊仏山荘を出ると,同じバスに乗っていたHさんが,私たちと入れ替わるように尊仏山荘に到着する.
私たちはノンビリ,淡々と下山し続ける.
途中,小草平で一休み.スナップ写真を撮るが,仲間ではない男性がお一人写真の中に混じり込む.
何時の間にか雲が湧き始めていて,富士山は雲の中に隠れている.そして,山麓に近付くにつれて,猛烈に蒸し暑くなり始める.
<堀山の家で給水休憩>
■キツネノカミソリ
私が先頭になっている.私は足が遅いので,他の人に先頭を譲ろうとするが,そのまま先を歩けと言う.私はすぐ後ろの居られるYUさんの足音を聞きながら,マイペースで下る.後になって,MTさんから,
“速いので,下りで汗をかきましたよ”
と言われてしまう.でも,前回は,花立山付近で,もの凄い勢いで下山してくるMTさんに追い抜かれたばかり.下山速度もTPOで色々だなと思いながら下山し続ける.
12時39分,観音茶屋を通過する.大倉発13時22分のバスまでは十分に時間がある.それならばユックリ…ということで下り続ける.
丹沢ベース手前の土手で,橙色の花が群生している.とても見事なので花オンチの私でも立ち止まって写真を撮る気になる.同行の花に詳しいYUさんから,この花がキツネノカミソリという名前だと教えて貰う.花の名前はすぐに忘れるので,立ち止まってノートに花の名前を書き込む.それにしても洒落た名前の花である.
“なるほど,…花を愛でながら登山するのも面白そうだな”
と思い始める.
<キツネノカミソリ>
■5本百円のキュウリを持ってバスに乗車
今回も,バス停大倉付近の無人スタンドで,5本100円のキュウリを購入する.
昨日,大船の八百屋でキュウリ1本が,70円もするのを見て,ビックリしていたので.またもや,無人スタンドで買う気になった.
バスは空いている.後ろの方の席に固まって雑談.トマトやキュウリの苗木を買ってきて自家栽培する話や,近々,丹沢を姫次方面まで縦走しようという話,さらには私のむくつけき足が綺麗だということまで話題になる.いきなり足が綺麗なんて言われると,何でだろうとドギマギする.
<5本百円のキュウリ>
■
大倉13時22分発のバスに乗車する.渋沢,小田原の両駅共に接続の良い電車に乗り遅れる.それでも,快速アクティとやらの電車で,大船駅までの停車駅が少なくて快適だ.
14時57分に大船駅に到着する.
大船も相変わらず蒸し暑いが,それでも海風が吹いているので気持ちが良い.自宅近くのバス停を通るバスまで25分も時間がある.短気を起こして,いっそのこと歩いて帰ろうかとも思ったが,結局はバスを利用した方が早く帰れるので,歩くのは止める.
では,ということで,ルミネ1階の某コーヒーショップに立ち寄る.座席は満杯.店員が,
「先に座席を確保しなくて,大丈夫ですか?」
と私に聞く.勿論,私は立っているのは平気.立ったまま200円也のコーヒーを賞味する.
“コーヒーの色,実に良いな”
と思いながら,口を付ける前に写真を撮る.
<某コーヒー店のコーヒー,実に良い色をしている>
■今日一日も良かったな
バスに乗って,15時半頃,やっと帰宅する.
すぐにシャワーを浴びて,衣服を着替える.生き返った気分になる.そして,熱中症にもならずに一日を過ごせたことに感謝する.
夕方,孫娘が来る.
孫を囲んで夕食,今日も我が家に泊まっていくという.勿論,可愛い孫は大歓迎.ジイサン,バアサンは孫娘から“若素”を貰いながら,今日一日が終わる.ハッピー,ハッピーである.
明日は山旅スクール5期の方々と鎌倉散策,土曜日は五十三次洛遊会の皆さんと,やっぱり鎌倉散策である.ということは,次回の塔ノ岳は来週水曜日になりそうである.お天気次第だが…
<ラップタイム>
7:05 大倉歩き出し
7:29 観音茶屋
7:46 見晴山荘
8:17 駒止茶屋
8:33 堀山の家
9:20 花立山荘
9:36 金冷シ
9:51 塔ノ岳山頂着(24.0℃)
10:50 〃 発
11:05 金冷シ
11:17 花立山荘
12:00 堀山の家
12:09 駒止茶屋
12:28 見晴山荘
12:39 観音茶屋
12:58 大倉着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:05
塔ノ岳 着 9:51
(所要時間) 2時間46 分(2.77h)
水平歩行速度 7.0km/2.77h=2.53km/h
登攀速度 1269m/2.77h=458.1m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:50
大倉 着 12:58
(所要時間) 2時間08分(2.13h)
水平歩行速度 7.0km/2.13h=3.29km/h
下降速度 1269m/2.13h=595.8m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/89bc247084f450b5dce37ddeefff1343
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
※誤字脱字転換ミスなどは後刻訂正する.
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久々の富士山と尊仏山荘のネコに会った丹沢:塔ノ岳(今年41回目)
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