<しなの鉄道車窓から浅間山を望む>
早春の信州(1);小諸と浅間山と亡姉の愛した猫
(独り旅)
2016年3月21日(月)~22日(火)
第1日目;2016年3月21日(月) 晴
<北陸新幹線で軽井沢へ>
■今日は亡姉の四十九日
私は3人兄弟.姉1人,弟1人.3人とも信州小諸で生を受けた.色々な経緯があって,私は現在鎌倉に住んでいる.姉と弟はずっと小諸.ところが先日3人兄弟の一角である姉が永遠tの旅立ちをした.ついに3人の一角が崩れた.もちろん,人間を含めてあらゆる生き物は何時か必ず終末を迎えることは理の当然である.生き物の死亡率は間違いなく100パーセントである.そんなことは私だって百も承知しているが,いざ3人の一角が崩れるのが現実となってから,それが如何に悲しいことかがハッキリする.
毎回,同じことを書いているが,姉の辞世の句,
”ハクレンが散る さやうなら さやうなら”
が私の心の中に呪詛のように染みこんでいて,私をなかなか解放してくれない.
とはいえ,今日は亡姉の四十九日法要が故郷の小諸で行われる.
永遠の別れで,残された者達も.四十九日目に仏となった故人を偲ぶとともに,そろそろ前向きに人生を歩みなさい…ということだろう.
■新幹線としなの鉄道で小諸へ
私は今日12時30分から小諸の某寺で執り行われる四十九日法要に出席するために,早朝,家を出発する.
湘南モノレール,上野東京ラインの電車を乗り継いで,東京へ向かう.毎度のことながら,最近の私の生活圏はせいぜい浜辺りまでなので,東京まで出掛けるとなると,少々緊張する.
東京駅から,7時24分発あさま603号長野行に乗車する.勿論,自由席.東京を発車するときはガラガラ.あさま号は各駅停車.駅に停車する度に乗客が増える.そして高崎を発車する頃には,7~8割の乗車率になる.
車内アナウンスがある.
「…3月24日からのダイヤ改正にともない「あさま号」の車内販売は中止になります.お買い物は列車に乗車する前にお済ませ下さい…」
"なんとまあ,つれないことをするものだ”
とちょっと憤慨する・
高崎から幾つものトンネルを潜って,もうすぐ軽井沢に到着する頃,やっと車内販売のワゴン車が近くを通る.今回が車内販売を利用する最後のチャンスになるので,何か買おうかなと思うが,軽井沢駅で下車しなければならない.とても何か買っている時間がない.残念!
8時50分,列車は軽井沢駅に到着する.軽井沢駅で下車.
列車から外に出た途端に,ピリリとした寒さで身体が震える.
”やっぱり,軽井沢は寒いな…”
<東京駅> <軽井沢駅に到着>
<軽井沢>
■軽井沢駅をブラブラ
折角,軽井沢に来たんだから…ということで,しなの鉄道に乗り換える待ち時間を利用して,軽井沢駅周辺を一寸だけブラブラ.
外国人,多分中国人と思われる人がかなり居る.
駅前に出てみる.
多分,まだ残雪があるだろうと思っていたが,意外なことに駅周辺には全く残雪はない.ただ,冷たい風が吹いているので,遠くまで歩こうという気にはなれない.
<軽井沢駅>
■スキー場の雪も僅か
軽井沢駅南口に廻って見る.
スキー場には,雪が残っているようである.スキーヤーが何人か滑っているのが見える.
暫くの間,駅~見える風景を眺めていたが,寒いのであちこち歩き回る気にもなれないので,そろそろしなの鉄道に乗って小諸へ移動することにずる.
<軽井沢スキー場遠望>
<しなの鉄道の車窓から>
■懐かしい雰囲気の車内
軽井沢9時33分発長野行電車に乗車する.2両編成.
手動で入口の扉を開けて,車内に入る.三つドアーでドアーとドアーの間に4人掛けボックス席が片側2ヶ所ずつある.車内の塗装の色やボックス席の形など,実に懐かしい雰囲気である.多分,その昔,横須賀線を走っていた電車と同型に違いない.
車内はそこそこの乗客が乗っている.
浅間山の雄姿を見たいので,進行方向右手のボックス席に座る.
<しなの鉄道軽井沢駅ホーム> <しなの鉄道の車内>
■離山
軽井沢を出発して間もなく離山の山裾を通過する.
私は,ここ数年の間に,塔ノ岳常連の方々や山旅スクール同窓生などを案内して,この離山に登っている.
晴れていれば離山からの富士山の眺めは最高である.多分,今日も離山山頂から富士山が良く見えているだろうなと想像する.
<離山>
■浅間山が良く見える
今日は快晴.
車窓から浅間山が良く見えている(冒頭の写真).
下の写真の右端に見えている小さな山は小浅間山.バス停峰の茶屋から30分ほどで小浅間山山頂に登ることができる.
小浅間山から眺める浅間山も雄大で見事である.
残雪の浅間山は実に良い眺めである.
<御代田付近から浅間山を望む>
<小諸市内散策>
■小諸駅
10時04分,小諸駅に到着する.自分が生まれ育った町に戻ると,何だかホッとした気分になる.
小諸駅の建物は.私が中学(旧制)から高校(新制)まで,小諸から上田まで通学していた頃とほぼそのままである.小諸駅前にあった鹿島神宮が懐古園近くに移された頃,小諸駅の建屋も新築された.そのとき,凄く立派な駅舎ができたなと誇らしく思ったが,あれから幾星霜,もう随分と年季が入った建物になってしまった.
”うん…でも,まだ昔の建物の面影が残っているな…”
と思いながら,駅の写真を撮る.
<小諸駅到着> <小諸駅>
■相生町
小諸駅から相生町の坂道を登る.数年前までは歩道にアーケードが作られていたが,今は取り払われている.小綺麗な商店街である.ただ,昔に較べると随分と人通りが少なくなったような気がする.
ショーウインドウを覗きながら,ユックリと坂道を登る.
<相生町を登る>
■島崎藤村の遺構
相生町中程で左折して,島崎藤村の遺構を一回りする.
まずは藤村井戸,続いて島崎藤村の旧居跡.板の黒塀が倒れかかっている.一寸残念.
引き続き,市役所付近を散策する.昔々,国民学校5~6年生が通っていた学校跡に病院ができるらしく,整地作業中である.
<藤村井戸> <藤村旧居跡>
<亡姉の四十九日法要>
■曹洞宗の名刹
小諸市内の弟の家に立ち寄る.そこで黒色の背広に着替えてえから,弟,姪とともに某寺に向かう.この寺は曹洞宗の名刹である.
途中で猫に会う.亡姉はこよなく猫を愛した.そんな因縁かと思って,この猫の写真を撮る.なかなか可愛いネコである.
近親者だけで法要がしめやかに行われる.
この寺に私の父母も眠っている.序でと言っては叱られるが,父母の墓参りも一緒に済ませる.
<寺で出会ったネコ> <曹洞宗の名刹>
■某割烹料理店で会食
会場を小諸市内の某割烹料理店に移す.10数名の近親者だけで個人を偲んで会食である.
最近,毎度のことながら,油っぽいものを食べると胃の調子が悪くなるので,天ぷら類は敬遠しなければならない.大好物なのに…これが残念.
会食は2時間程度で終わる.
会食後,弟の家に戻る.
まだ,今日中に鎌倉まで帰れる時間だが,何となく小諸を離れる気がしない.そこで弟の家に泊まることにする.
<某割烹料理店の料理>
<亡姉が愛した猫と夕暮れの浅間山>
■猫の新居
姉に先立たれた2匹の猫は,姉の家から少し離れた所にある次男の家に引き取られた.つまり,猫の新居は姉の次男の家ということになる.
猫は家に居着くと言われるが,何とか新居で落ち着いているとのこと.
”ついでに猫に会いに行こう…”
姉の次男に車で迎えに来てもらう.磁南の家は約2~3キロメートル離れたところにある.
<姉が愛していた猫たち>
■夕暮れの浅間山
猫が元気で暮らしているのを見て安心する.
”こいつら,もう姉のことを忘れてしまったんだろうか”
多分,姉のことなどとっくにどうでもいいと思っているんだろうな…猫だもの.
帰りも姉の次男が自動車で送ってもらう.
「序でに,小諸が良く見えるところへ行ってみましょう…」
ということで,飯綱山山頂へ向かう.私の祖父祖母が住んでいた諸(大室)という集落の裏山である.
夕暮れの浅間山連山が良く見える.一番右の山が剣ヶ峰,その奥が前掛山,手前が牙山,左が黒斑山である.
←クリック拡大
■小諸市内遠望
浅間山と反対側を見ると,小諸市内を見下ろすことができる.
小諸が,まさに高原の街だということが良く分かる.
←クリック拡大
<何となく慌ただしい一日だった>
■なんだか疲れた
亡姉の愛していた猫が新しい環境でも,元気に過ごしているのを見て,一安心する.
弟の家に戻ってから,暫くの間,懐旧談をしながら過ごす.
こうして,何となく慌ただしい一日が過ぎた.山へ登るのとは少々違った感じの疲れが身体に溜まっている.
「明日,目が覚めたら,皆が寝ている間に,帰るのでよろしく…」
ということで,20時頃,早々と寝室に引き上げる.
■さて明日はどうしよう
就寝前に,
”さて,明日はどうしよう…”
JR関東バスで新宿まで帰るか,それとも,たまには軽井沢から碓氷峠越えのバスに乗ってみるか…どうしようかな,
その内に,あれこれ考えるのが面倒になる.
”明日,どうすればいいか決めよう…今日考えるのはヤメタ!”
また,例によって,明日やれば良いことは今日やらないのグウタラ根性に負けてしまう.
(つづく)
続きの記事
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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/795718093453c0970717bfb2f6551490
「関東・上信越の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8b4449afc72834232f3cf463365fd8a9
「関東・上信越の山旅」の次回の記事
(なし)
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早春の信州(1);小諸と浅間山と亡姉の愛した猫
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