<花立階段下から見えない富士山を望む>
弱気が伝染して途中で下山しちゃった丹沢:塔ノ岳(今年4回目)
(単独山行)
2016年2月6日(土) 曇
<ルート地図>
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■早朝起床するのが辛い
つい先日,「香港トレイル50km大縦走」のツアーに参加してから,早寝早起きの習慣が少し崩れてしまい,ここ数日は早朝起床が少々辛くなっている.
今日は土曜日,何時もの通り丹沢塔ノ岳に出掛けようと思って,3時20分頃起床するが,どうも寝不足気味で身体が重い.でも,そんなことを理由にして塔ノ岳詣でをヤメにしていたら,グウタラ生活に陥るのが目に見えている.私はイヤイヤする自分の身体を叱りつけて,4時10分に自宅を出発する.
今朝は曇っていることもあってか,この時期にしてはそれほど寒くはないが,真っ暗な山道を下って大船駅まで向かうのは実に心細い.
寝不足のためか,電車の中でもついついウツラ,ウツラ,小田原や渋沢の駅で寝過ごさないようにするのが精一杯である.
6時12分,渋沢駅に到着する.私より先にバス乗り場に到着している登山者は3人.
私は,柱の陰で,全身のストレッチを入念にしながら,バスの到着を待つ.暫くすると,IsIさん,SSKさんなど数名のご常連が列に加わる.
大倉行1番バスが発車しようとするときに,どやどやと沢山の登山客がバス停に到着する.たちまちの内にバスは満員になる.その中にTNさん,MTさん,KIさん,HYさん,MMさん,HNさん,STさんなど多数の常連が居られる.
■大倉から登山開始
7時01分,バスは大倉に到着する.
私は登山の支度を整えてから,7時07分,常連の皆さんと前後して大倉から歩き出す.
久々の塔ノ岳である.歩き出してすぐに自分の身体が重くて,体調が余り良くないことが分かる.
“こんなときは,無理は禁物…”
私は無理はするなと自分自身に強く言い聞かせる.
歩き出して間もなく,私より少し先を歩いているTNさんが突然立ち止まって,後ろを振り向き私が追い付くのを待つ.TNさんが,ストックで海の方を指しながら,
「…あそこに見えるのは江ノ島ですよね…」
と私に言う.
なるほど,うっすらと茜色に垂れ込めた雲のすぐ下に江ノ島が浮かぶように見えている.
「…ああ,なるほど! 江ノ島ですね…」
私は後ろ向きになって歩きながら,今日最初の写真を撮る.
江ノ島
↓
<江ノ島が見える>
■見晴茶屋の迂回路
私の前,30メートルほど先にMTさんとKIさん,さらにその手前にTNさんの後ろ姿が見えている.私もちょっと速歩になれば,皆さんの追いつけそうだが,そんなことをしたら,後になってスタミナ切れになるのは自明のこと.ここは慎重に登ろと思う.そう思った途端に,先行する3人との距離がジワリジワリと開き始める.
7時34分,観音茶屋を通過する.
今のところ,登山道の路面はよく乾いていて歩き易い.ただ,気温は予想以上に暖かである.雑事場ノ平に近付く頃,少し汗ばんできたので,登山道の途中で立ち止まって,一番上に来ていた薄手のフリースのシャツを脱いで,リュックに収める.
7時52分,見晴茶屋に到着する.
現在,見晴茶屋はトイレ工事中,迂回路を通って,見晴階段に向かう.迂回路を通るために見晴茶屋前からの眺望を写真に撮れないのが一寸残念である.
<見晴茶屋>
■見晴階段
見晴階段に差し掛かる.
例によって定点観測用の写真を撮る.階段の上の方には常連のMTさんKIさんの後ろ姿も見えている.
階段の両側の樹木はすっかり落葉していて.曇にもかかわらず見晴階段は意外に明るい印象を受ける.
私は山頂付近で,へばらないように,ごくゆっくりと登り続ける.
<見晴階段>
■もみじ坂
見晴階段を登り切って,もみじ坂に差し掛かる.
坂の両側のもみじはすっかり落葉していて,如何にも冬らしい風景になっている.坂道に入ったところで,常連の女性に追い抜かれる.
8時10分,ようやく一本松を通過する.
大倉からの所要時間は1時間03分.ここで1時間を切れないとは…
如何にも情けないが,寄る年波,こればかりは仕方がない.
<モミジ坂>
■駒止階段
8時20分,いよいよ駒止階段である.
この辺りから残雪が見え出す.相変わらず登山者の後ろ姿が見えている.何時ものように一段一段噛み締めるようにしてゆっくり登り続ける.
8時25分,ようやく駒止茶屋に到着する.
大倉からの所要時間は,1時間18分.せめて,1時間15分程度で通過したいところである.わずか3分のビハインドとはいえ,これまでの経験から,この3分は中々大きいなと思う.
<駒止階段>
■残雪の堀山の尾根道
駒止茶屋を通過して堀山の尾根道に入る.残雪が増え出す.ところどころ木道が残雪に埋まっているところもある.
何時もなら,この辺りは,歩行速度をかなり上げて歩くところだが,今日は残雪のために慎重に歩き続ける.
先ほどまで何とか見えていた常連の後ろ姿は,もう全く見えなくなっている.
8時28分,後ろから近付く足音に気がつく.常連のMGさんである.
「帰りにお茶しましょう…」
と話し合ってから,MGさんには先に行ってもらう.
<残雪の堀山の尾根道>
■見えない富士山の写真
8時34分,晴れていれば富士山が良く見える場所に到着する.
今日は残念ながら富士山は雲の中である.近場の鍋割山の山裾がボンヤリと見えているだけ.それでも,私はヤケクソで見えていない富士山の写真を撮る.
8時35分,堀山の道標前を通過する.
ここからの下り坂,残雪が少し増える.慎重に歩くため何時ものような歩行速度は出せないのが残念である.
<見えない富士山の写真を撮る>
■小草平
8時45分,小草平に到着する.
小草平のベンチでは数人の登山客が休憩を取っている.堀山の家の玄関に取り付けられている寒暖計によると,気温はプラス4℃.この時期にしては温かい.
私は堀山の家の写真を撮っただけで,小草平を通過する.
<小草平の堀山の家>
■KSさんから勇気をもらう
小草平から先は急坂が連続する.しんどいところだが,この急坂をユックリ登るのが,いかにも登山らしいので,私の好みに合っている…というよりはこの坂を登るのが楽しみでもある.ただし,ゆっくり,ゆっくりだが…
高度が増すにつれて,残雪が増え出す.路面が凍り付いているところが随所に現れる.
”下りは要注意だな…”
と思いながら,マイペースで登り続ける.
9時05分,下山してきたKSさんとバッタリ.例により,
「やあ,FHさん…今日は暖かいですよ.山頂の気温は+2℃でしたよ…」
と握手しながら,私に話しかける.
毎度のことながら,KSさんに勇気をもらう.有り難いことである.
<戸沢分岐手前にて>
■萱場平
9時23分,萱場平に到着する.ここまで登ると,登山道周辺にはかなりの残雪がある.
萱場平の木道を歩いているときに,後ろから来たSSKさんに追い抜かれる.追い抜かれるのはちょっと残念だが,これも年の差,止むを得ない.
木道の間でこの秋口まで繁茂していたアザミの枯れ姿を写真に収めてから,のたのたと歩き続ける.その間にも,SSKさんの後ろ姿がますます遠ざかる.
<萱場平>
■チャンピョンとすれ違う
萱場平を過ぎると,ますます残雪が多くなる,足許の土が凍結しているところが多くなる.思わずスリップしそうになる.
9時15分,下山してくるチャンピョンとバッタリ.大きなガスボンベを背負っている.
「やあ,やあ,FHさんですね…滑るから足許に気お付けてね…」
とチャンピョンが話しかける.
チャンピョンに万歳のポーズを取って貰い写真をパチリ.
こうして顔見知りの方と,一言二言挨拶をしながら登るのも楽しみの一つである.
<ガスボンベを背負ったチャンピョン>
■後七分坂(花立階段)
9時23分,後七分坂に到着する.例によって,階段下から富士山の写真を撮るが,今日は曇.富士山は見えない(冒頭の写真).
この辺りは雲の中らしく,周囲は霧に覆われている.後七分坂の上の方も霧の中で霞んでいる.私は,スタミナの温存を図りながら,後七分坂を登り続ける.
<後七分坂(花立階段)>
■今日は花立山荘で終わり
あともう少しで階段を登り切るところで,下山してくるSSKさんとバッタリ.私,ビックリ.
「あれ,どうしたんですか…? 山頂まで行かないんですか?」
「今日の私の山頂は,花立山荘にしました」
このSSKさんの言葉を聞いて,私も塔ノ岳山頂まで行く気が急速に薄れる.
「じゃあ…私も花立山荘までで下山します…ちょっと待ってて下さい」
ということで,後,10数段,花立山荘まで登る.
9時33分,花立山荘に到着する.ここで,数枚の写真を撮ってから,すぐに下山開始.
私,上りではストックは使わないが,下りでは膝を保護するために2本ストックを使っている.そのため2本ストックを用意するまで待って貰い,9時36分,下山開始.
今日の大倉から花立山荘までの所要時間は2時間25分.随分と遅いが残雪があったことを考慮すれば,まあ,こんなものかと納得.小草平から花立山荘までの所要時間は48分,こちらは時間が掛かりすぎているが,残雪のためだろうと,勝手に良い方に解釈する.
<花立山荘>
■つぎつぎに常連とすれ違う
後七分坂を下り終えて,ガレ場を下山し始めたところで,登って来るISIさんとすれ違う.
「あれ,随分と早いですね…」
とISIさん.
「今日の山頂は花立山荘です…」
とSSKさんが冗談を言う.
このところの私の下山速度は,右膝に負担が掛からないように,極々低速度である.SSKさんには,私の低速度にあわせて下山して頂く.
下り続ける間,STさん,IIJさん,HNさんなど常連の皆さんと次々にすれ違う.ISIさんを除くこれらの常連の皆さんも,どうやら花立山荘まで登ってから下山されるようである.
9時58分,萱場平を通過する.随分と早い時間である.もし登山を続けていたら,今頃,そろそろ塔ノ岳山頂手前の急坂を登っているところだろう.
私の平常の速度では,花立山荘から塔ノ岳山頂までの所要時間は約35分,山頂で30分ぐらい休憩を取ってから,山頂を出発して花立山荘まで約25分,したがって,花立山荘から塔ノ岳山頂まで往復する所要時間は約1時間30分ということになる.その分だけ今日は余裕ということになる.
■観音茶屋
10時10分,堀山の家を通過する.ちょっと立ち寄りたい気もするが…
その後も,私の歩行速度に合わせて頂き,10時33分,駒止茶屋を通過する.駒止階段を慎重に下りて,10時46分に一本松,10時57分,見晴山荘を通過する.
11時10分,観音茶屋に到着.
入口のガラス戸越しに,常連のIMIさんが居られる.IMIさんに誘われるようにして,久々に観音茶屋に立ち寄る.
私は300円也の「おしるこ」を頂戴する.
冬場は温かい「おそるこ」に限る.「おしるこ」を賞味しながら,茶屋の女主人,SSKさん,IMIさんのお三方と暫し雑談を楽しむ.
観音茶屋の「おしるこ」といえば,編集長のYKさんを連想する.この頃,YKさんにはお目に掛かっていないが,お元気なのだろうか.
<観音茶屋のお汁粉>
■山麓ネコの親分
お汁粉を食べ終わる頃,MGさんが茶屋の前に到着する.
11時32分,観音茶屋を出発.MGさん,SSKさん,IMIさんと一緒に4人で大倉を目指して下山し続ける.
11時40分,克董窯の前を通過,11時48分,バス停大倉に到着する.
登山靴に付着した泥を洗い流してから,バス停近くのドングリ山荘休憩所で,昼食を取る.
その内に,花立山荘で折り返した常連の皆さんが次から次へと下山してくる.
昼食を取った後,私は,土日に開催されている青空市場を見学する.
バス停のロータリーの真ん中で,ネコが1匹,座り込んでいる.良く見掛けるネコである.今日は,登山の途中で下山してしまったので,尊仏山荘の山ネコ,華伊達美弥雄さんに敢えなかったので,この山麓ネコに会っただけで良しとしよう…ということでこのネコの写真を数枚撮る.
このネコも飼いネコらしく,とても人懐こいところが可愛い.
<山麓ネコ>
■急遽帰宅
青空市場を見ていると,突然携帯電話が鳴る.何事かと思って電話に出る.
故郷で闘病中の姉が,今日未明亡くなったとの報せである.先週,病床を見舞ったばかりである.覚悟はしていたが…残念!
”これはイカン…すぐ帰宅しなければ…”
丁度目の前に12時11分発のバスが発車間際である.ドングリハウスで休憩を取っている用廉さんに先に帰ると挨拶する間もなく,バスに飛び乗る…という訳で,常連の皆様には失礼してしまった.この場を借りて陳謝する次第である.
<ラップタイム>
7:07 大倉歩きだし
7:37 観音茶屋
7:52 見晴茶屋
8:25 駒止茶屋
8:44 小草平(堀山の家)
9:33 花立山荘着
9:36 〃 発
10:10 小草平(堀山の家)
10:33 駒止茶屋
10:57 見晴茶屋
11:10 観音茶屋(11:32まで休憩)
11:48 大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 5.4km(片道)
■累積登攀下降高度 1059m
■上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:07
花立山荘着 9:33
(所要時間) 2時間27分(2.45h)
水平歩行速度 5.4km/2.45h=2.20km/h
登攀速度 1059m/2.45h=432.2m/h
■下り所要時間(休憩時間込み)
花立山荘発 9:35
大倉着 11:45
(所要時間) 2時間10分(2.17h)
水平歩行速度 5.4km/2.17h=2.49km/h
下降速度 1059m/2.17h=488m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/506d97a534e4bdb4e354f61d7e9d83b2
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
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弱気が伝染して途中で下山しちゃった丹沢:塔ノ岳(今年4回目)
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